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14話 怪奇 ページ15

トウマ視点

妖怪「っ、…私は一体……」

 
 気づけば、妖怪から邪気が抜けていた。どうやら妖怪は正気を取り戻したみたいだ。それと同時に、ナツメとアキノリを含めた子どもたちの魂も、もとの体に戻ったらしい。


ナツメ「トウマ!!1人で戦わせてごめん!」

アキノリ「無事かトウマ!?」


「僕は平気だよ。僕も戦おうとしたんだけど…あの人が倒してくれたんだ。」


 そう言い僕は、Aさんを見る。それにつられ、2人もAさんの方に目線を向けた。







 ……が、既に彼女の姿は消えていた。




ナツメ「誰もいないけど…」


アキノリ「変なトウマ!夢でも見てたのか?」


「おかしいな…確かにいたはず……」


「…いや、今はそれどころじゃない。なぜ妖怪が暴れていたのかを聞き出さないと。」


アキノリ「おっと、そうだったな!」


アキノリ「なぁ、どうして子どもたちの魂を吸っていたんだ?」


妖怪「それは…私の子どもを探していたからなんです。昔、私は幼いあの子を残して死んでしまった……そして私の死後、主人と子どもはすぐ、どこか遠くへ引っ越したようでした。あの子のいる場所もわからないまま妖怪になった私は、この思い出の公園で、ずっとあの子を待ち続けていたのです。…ですが、気づかないうちに、人様のお子さんの魂を吸うまでに……」


ナツメ「それって、もしかして……」





ナツメ「その子の名前は覚えてますか?」


妖怪「はい…ジュンヤです。」

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作者名:日向(ひゅうが) | 作成日時:2023年3月29日 8時

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