13話 応戦 ページ14
トウマ視点
アキノリ「俺の背後……？」
アキノリの背後に…？僕は目線をずらし、アキノリの方に注目した。
これは……！
得体の知れない異形が蠢き、こちらに話しかけてくる。
妖怪「子ド#もだケぇ…ハ…危#イよォ…？ァァ…わタ##シの子どモタチ…##」
アキノリ「うわぁぁぁ！？！？」
ナツメ「アキノリ！！！」
返事をしたアキノリと、それに反応したナツメは魂を吸われてしまった。
妖怪「あ##ナタ#もォ…こっ#チへオいデェエ…？」
残ったのは僕だけか…でも、このまま返事さえせずに倒せれば…！
茨木「…下がって。そして目を瞑ってください。そうすれば、2人は必ず助かります。」
茨木「(人前で妖術を使うのは気が引けますが…)」
そう言うと、目の前の女の人は妖怪に向かい、バリバリと音を立てながら雷神の術を放つ。このとき、僕はようやく悟った……
この人、普通の人間じゃない…！！
茨木「….！！」
妖怪「ヴァぁァ##ぁぁァ#ァァ！！！！！」
瞬く間に妖怪の体が崩れ落ちた…
人間じゃない…そうと分かっていても、闘う彼女の姿は、この世の言葉では表せないほど美しく思えた。
そして、初対面の人にこんな感想を抱いた自分にも驚きを隠さずにはいられなかった。
なぜだろう、僕の体に流れる血の温度が僅かに上昇し、それに伴って心拍数が上がったような気がした。
僕のこの心音は、妖怪と対峙したことによる緊張感から来るものなのか。それとも、別の“何か”なのか…僕には分からなかった。
茨木「……終わりましたか…」
「あの…！お名前を聞いても…」
しまった…いつの間にか僕は、あらぬことを口走っていた。人違いしてしまった上に暴力まで振るったんだ、答えてくれる訳が無いだろうな…
茨木「(名乗らないのは不自然でしょうか….)」
茨木「…Aです。茨木 A。」
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作者名：日向（ひゅうが） | 作成日時：2023年3月29日 8時
