12話 齟齬 ページ13
アキノリ視点
「(出てきた…!深夜の公園に現れる…そして、目を見張るほど美しい女…アイツで間違いない!)」
俺は朱雀、ナツメはジバニャン、トウマは義経を呼び出し、一斉攻撃を仕掛ける。
……が、全く効いていない。どうやら、全ての攻撃を避けきったようだった。傷ひとつついてない。
「おいおい嘘だろ!?」
攻撃をものともしないその女は、俺たちにジリジリと近づいて来た。なんなんだコイツは…!!
茨木「……マナーのなっていない子たちですね。交番にでもつき出した方が良いでしょうか…」
「…へっ?交番……??」
義経「やはり妙だな…禍々しい妖気が感じられない。」
ナツメ「犯人はこの人じゃないってこと?」
義経「恐らくだが。魂を吸うような妖怪であれば、多少なりとも妖気を纏っているはずだ。」
「はぁ!?!?」
ってことは俺たち、何の関係もない人に向かって攻撃してたのか!?申しわけなさすぎて顔も合わせられねぇよ…この人が攻撃を避けてくれたから大事には至らなかったけど…こんなの立派な傷害罪だろ…!
茨木「魂…?何の話でしょう…」
「えっと…うすらぬらに、“深夜の公園に女が現れて、子どもの魂を吸う”って話が…俺たちの誤解で…あの…」
「本当にすいませんでした!!!」
ナツメ「書き込みと条件が一致していたからてっきり…」
自分で言うのも何だが…謝って済むような話じゃねぇよな!?そんなことは分かっていながら、俺たちは全員でその女性に向かって頭を下げる。
茨木「よく分かりませんが…」
茨木「あなたの背後にいる化け物のことでしょうか…?」
彼女が指を差す方向は、俺に向いていた。
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作者名:日向(ひゅうが) | 作成日時:2023年3月29日 8時