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11話 擬態 ページ12

茨木童子視点

「この辺りも随分と変わりましたね…昔は田や畑が広がっていましたが…」

 人間の姿に変化したまま、ぽつりと呟く。

 私は、夜の住宅街を1人で歩きながら、昔の人間界に思いを馳せる。90年ほど前だったかしら…酒呑童子様と死別(勘違い)してから私が人間界に来たのは。

 あのときも、工場や商店街で街が賑わっていることに驚いたけれど、現代の人間界はそれ以上に発達していますね…

 常に変わっていく人の世というのは、悠久の時を生きる私たち妖怪からすると、目まぐるしく感じるほど。


 

 …おや。公園に誰かが…?子ども…でしょうか…?そういえば、酒呑童子様がおっしゃっていたような…

『むやみに人を攫ったりするのはやめろ。今の人間界はそういった事件事故に過敏だからな。』

 と。もしあの子たちに何かあれば、ちょっとした騒ぎになりそうですね…家に帰るよう言いましょうか。

 
 私は、公園の草を掻き分け、少年たちの方へと歩く。


「子どもだけで夜遊びとは感心しませんね…親御さんも心配しているでしょうし、早く家に帰りなさいな。」


 

 私の顔を見て、少年たちの表情がこわばる。その瞬間、少年たちは何も言わず、私に攻撃を仕掛けてきた。

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作者名:日向(ひゅうが) | 作成日時:2023年3月29日 8時

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