Episode153 ページ4
米屋side
その日も普通に学校に行った。毎日一緒に登校していた亜桜が遠征で公欠で、一人で行く学校もなかなか新鮮だったけれど、あいつのいない学校も物寂しくて飽きていた頃だった。
「あー、あいつら今頃何してるかなー」
「無事帰還することを祈るだけだ」
放課後は基地に行ってランク戦。いつも付き合ってくれる弾バカも亜桜もいないから、相手をしてくれたのはしゅーじだ。亜桜、例の親友に会えたかな。現実的にはそんな確率、きっと限りなく低いのだろうけど、それでも、帰還して笑顔で親友の話をしてくれる亜桜の様子を想像してしまう。弾バカと一緒に、『まあ頑張ったから訊いてやるか』って顔をして、はいはい……って、はしゃいでいる亜桜に付き合ってやるのだ。
「……て、ーー」
「まじ？」
「でも……、思わない？」
ランク戦ブースを出てしばらく廊下を歩いていると、ヒソヒソと話す隊員たちとすれ違う。その表情がどちらかと言うと暗い類の顔だったものだから、何となく背筋が凍るような、流れている血液が冷えていくような、そんな心地がした。
「なんか騒がしーな？」
「放っておけ」
しゅーじは興味無さそうだったが、妙にオレは気になった。
「やっぱり、本当なんだって」
「遠征艇が、予定より早く帰還したらしいよ」
自然と足が止まった。息を呑んで、目を見開いた。遠征艇が？予定より早い帰還ってどういうことだ、何か帰らないといけない事情ができたのか？……出水や、亜桜の身に何かあったのか？
「っ、陽介！」
「ッ！」
「っ、どいてくれ！」
オレは戸惑うしゅーじを置いて、遠征艇が帰ってくる場所に向かって走る。そして、曲がり角を曲がる時。向こうから担架を押して走ってくる医務室の人達とぶつかりそうになって、オレはその場で止まった。通り過ぎる医務室の人達の間から、担架に乗って運ばれている人物の顔が見えたから。
「ーーあさ、くら……」
間違いなく、亜桜Aだった。
「何があったんだよ………」
何も出来ないオレは、その場に立ち尽くすしかなかった。
―――烏丸side―――
平穏は、簡単に壊れるものだ。そう、この組織に入ってから実感するようになったと思う。
「京介！」
ドタバタと、基地の廊下で俺に声を掛けてきたのは米屋先輩だった。後ろから慌てた様子の三輪先輩も付いてきている。
「米屋先輩？どうし……」
「太刀川隊が！遠征から帰ってきてる！」
「っはい？でも帰還予定はまだ……」
「亜桜が……！」
俺はその先を訊いて、医務室へ走った。
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亜桜(プロフ) - サクラさん» はじめまして、コメントありがとう御座います！！すごく嬉しいです……！こちらこそ数ある作品の中から見つけて下さりありがとうございました！ (2022年5月29日 1時) (
レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - はじめまして！作品一気に読ませていただきました。後半ボロ泣きしながら読みました。素敵な作品をありがとうございます！ (2022年5月24日 1時) (レス) @page50 id: 99a13ff01b (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - ペコの助さん» こんばんは、コメントありがとうございます！お言葉だけで大変光栄です。ありがとうございます。そしてご指摘大変助かります！見落としておりました;;なおしてきます！ (2022年2月8日 2時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
ペコの助(プロフ) - 最後に非常に申し訳ないのですが、（親友）の場所が（旧友）になっていて変換ができていません。意図的でしたらすみません。頑張ってください！ (2022年2月8日 2時) (レス) id: 28c825c318 (このIDを非表示/違反報告)
ペコの助(プロフ) - こんばんは！つい先日、この作品に出会ってから一気に読み進めてしまいました。心理描写諸々、とても素敵で何回も読んでいます。本当は単行本、購入したいのですがまだ、親の目があり難しくとても悲しいです....。これからも応援しております！ (2022年2月8日 1時) (レス) @page50 id: 28c825c318 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2019年2月10日 13時
