Episode110 ページ11
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そしてあれから佐鳥も私も、各々の隊室に戻ることになったそのとき。
「賢！まだ残ってたのか？」
「嵐山さん！」
向かいから佐鳥と同じ赤い隊服が歩いてきて、佐鳥の名前を呼ぶ。嵐山隊の隊長である、嵐山准だ。
「亜桜と一緒だったのか」
「ランク戦お疲れ様です〜〜」
にこっと笑顔を作って、声をさっきまでよりワントーン上げる。佐鳥はその私を見て不思議そうに顔をしかめた。
「こんな時間まで何してたんだ？」
「二宮隊の犬飼先輩と話し込んでて〜〜」
「んん？A先輩何で嵐山さんに猫被……」
「嵐山さんは今お帰りですか〜〜？」
余計なことを言い出しそうだったので佐鳥の口を塞いで、「んぐっ！？」と佐鳥が抵抗する。嵐山さんはボーダー歴が長いため面識もあるはずなのに、何故猫を被るのか……そう訊くつもりだったのだろう。
「ああ、賢が中々帰ってこなかったからな」
「ぐ、すみません……」
私が塞いでいた手を話すと、佐鳥が申し訳なさそうに嵐山さんに謝った。
「どうする賢、戻ってログ見るか？」
「あー、いや今日は帰ります」
「そうか」
そして嵐山さんは先に帰る、と言って廊下を歩いて行った。
「……A先輩なに猫被ってんですか！」
「う、うるさいな」
そして私は、佐鳥にワケを話した。
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「はあ？罪悪感で素をバラせない？」
「だって嵐山さんいい人すぎるから！」
嵐山さんはいつも他人に真っ直ぐで、猫を被っている私のことでさえもそれが素だと信じてくれて、いつもそれはそれは褒めてくれるのだ。本当は作っているだけなのに。
「でもそれ嘘つき続けるってことで、罪悪感募るだけじゃないですか」
「そうだけどさー」
その罪悪感と私が戦うのはいい。だが、ああいう噓が嫌いなタイプの人に事実がバレたら、嫌われそうで怖い……というのが本音で。もう言うに言えないのである。
「本当の性格バレて、ガッカリされたらちょっときついっていうか」
「あれ、もしかして先輩おれが萎えたって言ったのとか結構キてます？」
私は佐鳥を無視した。
「へー……先輩意外と繊細なんだ」
「やめてくんない？」
佐鳥が心底意外そうに目を丸くした。彼は少々私の人格に対して、横暴や我儘などの失礼な解釈をしすぎである。勘違いも甚だしい。
「大丈夫ですよ！最初の先輩は高嶺の花だったけど、今はその辺の花なんで！」
「その辺の花！？」
佐鳥の発言に失礼な後輩だなと思う反面、そもそも花なんて、私には似合わないのにな……と心の中で呟いた。
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亜桜(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます(；▽；)更新頑張ります！ (2019年1月21日 19時) (
レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 続きが気になりすぎる！！！面白すぎてヤバイです！！更新頑張ってください！応援してます！！！！ (2019年1月20日 21時) (レス) id: 076cc2dab4 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - twice MOMO，loveさん» 長編にも関わらず全て読んでいただけて本当に嬉しいです(；ω；) できる限り定期的に更新していきたいと思います！ (2018年12月11日 11時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
twice MOMO,love - とても面白いですっ！ いっきにすべてのお話し読みおわってしまいましたッ！ これからも頑張ってください！( v^-゜)♪更新お待ちしています！ 長文ひつれいしました (2018年12月10日 17時) (レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます！！( ；∀；)がんばります！！ (2018年11月25日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2018年10月8日 12時
