Episode077 ページ28
出水side
日曜。昼。普通の学生なら友達と遊びに行ったり課題を片付けたりするだろうけれど、おれは今日も基地の中にいた。だって、こいつがランク戦しようって言うから。
「ねー出水エンジニアのとこついてきてくれない？」
「別にいいけど、なんで？」
しかしランク戦をするより先に、エンジニアのところに行きたいと言い出した。おれは少し低いところにあるそいつの顔を見下ろす。
「ちょっとトリガーいじりたくてさ」
ニッとそいつはいたずらっ子のように笑う。ゲームをしているときとボーダーの話をしているときは、少年みたいな顔するからなあ。
「あーもしかしてＡ級の特権？」
「ううん、それとは別」
Ａ級隊員には、トリガーを自由にカスタマイズする特権がある。弧月の形を変えたり、新しいトリガーを作って貰ったり。でも、今回の用はそれとは違うらしい。
「出水は？それ使わないの？」
そいつがおれを見上げて首を傾げる。どうせ今から会いに行くなら何か頼んでみようかと思ったが、別に頼みたいことも無かった。
「今のところはねーな」
「そっか」
ぽんぽんと言葉を投げあって、おれたちはエレベーターに乗った。
「失礼します、太刀川隊の亜桜と出水です」
部屋に着くと、そいつはいつもよりワントーン高い声でそう言った。中にいた人が要件を訊いてきて、そいつは声を作ったまま答える。
「あの、トリガーの色を変えて欲しくて」
色？とおれはその単語を繰り返した。確かにトリガーの色はエンジニアに頼んで変えることができるが、何故今更そんなことを言い出したのか不思議だったからだ。
「色ならＢ級の時でも変えれたはずだけど……？」
「はい。でもＡ級に上がってからって決めてたので」
エンジニアは「ふーん」と呟いて、座っていたイスをくるりと回した。
「いいよ、何色がいい？」
.
タンっとおれは地面を踏んだ。
「メテオラ！」
空から細かい桜色の立方体が雨のように飛んできて、おれはそれを避けながらバイパーを放つ。こうやって見ると桜吹雪みたいだけれど、そんなに可愛いものでもないらしい。
「お前、何でその色にしたんだよ」
おれがそう問うと「え？」と言いながらそいつが桜色のブレードを振りかざしてきて、おれはシールドでそれを受けた。
「だって可愛いじゃん、入隊した時からやるって決めてた」
ぐぐぐとそいつがブレードを押してきて、おれも同じようにシールドで押し返した。
「お前その色すきだよな」
「うん、大好き」
そいつが一歩後ろに跳んで、またその色の弧月を構えて跳んできた。
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亜桜(プロフ) - 深未さん» つけてないですよ〜！ (2019年12月18日 8時) (
レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
深未 - 夢主ちゃんバックワームつけてないの？笑 (2019年12月18日 0時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 霧月さん» そんなに嬉しいお言葉を頂けてうれしいです(T^T)続編更新致しましたのでそちらもよろしくお願いします！ (2018年10月8日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃんの性格も大好きです!!更新楽しみにしてます(≧∇≦*)大変だと思いますが、頑張ってください！ (2018年10月8日 0時) (レス) id: 77a041f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - R.Oさん» ありがとうございます(T ^ T)がんばります！！ (2018年8月22日 16時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2018年6月15日 17時
