Episode083 ページ34
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今日からランク戦解禁。無事……と思いたいテストが終わって、もう私を止めるものは何もない。存分にランク戦を楽しめる。約束しているのは安定の米屋陽介。
「はやく帰ってこないかな」
出水の学校はまだテスト期間なので付き合ってくれなかった。米屋は防衛任務があるので、それが終われば来てくれるとのこと。私はブースで一人米屋を待っていた。
「亜桜か?」
「あ、風間さん」
歩いてきて私に声をかけたのは、四つ年上の攻撃手、風間蒼也さん。初めて会ったときは背が低すぎて、当時中学一年生だった私は同じ年だと勘違いをしたが、中身は冷静で淡々とした青年である。
「風間さん中間は?」
「まだ先だ」
「へー太刀川さんとこより遅いんですね」
太刀川さんはボーダー系列の普通校、三門第一高校の二年生、風間さんはボーダー系列の進学校、六頴館高校の三年生。太刀川さんはテスト期間で大慌てだが、風間さんはまだ先のようだ。
「ってか、風間さんって二宮さんと同じ学校ですよね」
「二宮?ああ射手のか」
そういえば風間さんが今学校の制服を着ていて、二宮さんも以前同じ制服を着ているのを見た。風間さんの方が先輩なのか……。
「学校で会ったりするんですか?」
「いや、全然会わないな」
ボーダー隊員同士が基地の外で顔を合わせているところを想像するのは、なんだか不思議な感覚があった。
「お前はランク戦か?」
「はい!中間終わったんで!」
キラキラと目を輝かせてそう言った。そういえば風間さんにも最初は猫を被ってたけれど、気付いたらやらなくなっていた。やはり慣れると自然にやらなくなるものなのだ。
「でも今米屋待ちで暇なんですよねー」
「ほう?なら俺の相手をしろ」
「え!します!」
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亜桜× × ×○○×○×○○
風間○○○×× ○×○× ×
パネルに表示された成績を見て、くあと伸びをした。気付いたらギャラリーが集まっていて、訓練生の時に見た太刀川さんと迅さんのランク戦を何故か思い出した。私も、こんなにギャラリーを集められるようになったのだ。
「引き分けか。強くなったな、亜桜」
「前8ー2とかで負けてましたもんね」
今回は、風間さんと戦った中では中々にいい成績。風間さんとは数えるほどしかランク戦をしたことがないけれど、勝てたのは二回程度だ。
「お〜〜いランク戦バカ〜〜」
「米屋……ってあんたに言われたくないんだけど」
防衛任務を終えた米屋が、ギャラリーの中から現れる。米屋は風間さんに一礼してからこちらに近づいてきて、そのまま私達は個室へ向かった。
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亜桜(プロフ) - 深未さん» つけてないですよ〜! (2019年12月18日 8時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
深未 - 夢主ちゃんバックワームつけてないの?笑 (2019年12月18日 0時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 霧月さん» そんなに嬉しいお言葉を頂けてうれしいです(T^T)続編更新致しましたのでそちらもよろしくお願いします! (2018年10月8日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃんの性格も大好きです!!更新楽しみにしてます(≧∇≦*)大変だと思いますが、頑張ってください! (2018年10月8日 0時) (レス) id: 77a041f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - R.Oさん» ありがとうございます(T ^ T)がんばります!! (2018年8月22日 16時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜桜 | 作成日時:2018年6月15日 17時