【WT】ペーパー・ムーン【メモ帳】 (ページ43)

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『Broooockの親友グループさんですよね？今日は来てくれてありがとうございます』

nk「んーん。こちらこそ招待して貰って。本当おめでとう」

kn「Broooockに幸せにしてもらってね」

kr「何かあったら俺たちに言ってくれればシメるから」

br「も〜〜〜やんさん〜〜〜」

ぱちっと、Aと目が合った。Aはニッコリ笑って会釈してくれる。白い生花の髪飾りに、ワンポイントで入れられた赤い花が揺れていた。
Broooockの色が散りばめられた髪飾りやブーケが、薔薇色の頬や、熟れた柘榴色の唇によく映えていて。
間近に見るAは本当にキレイだった。

『もしかして、何度かお会いしてませんか？』

君がフリーの時に、できれば君がBroooockと出会う前に。そう聞いていたら、俺はAを落とす努力をしたかもしれない。

sm「さぁ、……まあ俺たち全員Broooockと高校大学と一緒だったし、顔くらいは合わせてるかも」

kr「スマイル特徴無いからよく忘れられてるよね」

br「そういえば高校の時さ〜 ───」

Aを囲んで笑い合う中に俺がいる。なんとも不思議だ。ずっと誰にも知られず、Aを密かに想っていたのに。

でも、心からBroooockとAを祝福している気持ちに嘘はない。君が幸せなら、何の後悔もない。

スマイルはきりやんやBroooockの話も半分に、スマホで撮った写真を軽く見返した。

そんなつもりは無かったが、その中にたった1枚、A1人だけを映した写真を見つける。

その画角が、思い出の中の1枚を想起させた。

Aは知らない。高校の時、Broooockは修学旅行で撮ったAの写真を1枚だけ譲ってくれた。君は男子のアイドルだったから。

君は知らない。君をずっと好きだった俺のことを。……そんな俺の苗字さえも。

もし俺がBroooockみたいに背が高くて。
もし俺がBroooockより稼ぎが良くて。
もし俺がBroooockより顔立ちがカッコよかったら。

そしたらAは、俺と結婚してくれただろうか。……無理だろうな。

スマイルはA1人を映したその写真を削除して、BroooockとツーショットのAだけをアルバムに保存する。

sm(……やっぱ、ちょっとだけ悔しいわ)

それでもその気持ちは、2人を祝福するこの青空のように晴れ渡っていた。

Won't you marry me.
( Don't you marry him. )