【WT】ペーパー・ムーン【メモ帳】 (ページ34)

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◇ no matter who I am (kr) ページ34

本当の友達ってのは高校時代より後にできるもんだと思ってて。
実際問題俺はそう。地元でずっと仲良い友達なんてほとんど居ないし。

だいたい幼稚園から中学までって大抵住んでる地域単位でたまたま集められてたわけで。中流から下の家庭が平等に顔を合わせてただけなんだから、義務教育を済ませたら格差ってのが浮き彫りになるようになってんだよね。

高校大学は地域単位で行かなきゃいけなかった学校と違って、ある程度自分の意志と親の社会的地位に左右されるじゃん。同じ高校に入って出会う人間の方が、自分の根本に近しい人間である可能性が高いワケよ。

それってつまり、これまで「家が近い」程度の理由しか無かった友達と違って、「共通点が多い」とか「趣味の範囲が近い」とか明確な理由がある友達ができるわけで、まあ自分の身の丈に合った友達で周りを固めるなら、地元の友達と疎遠になっていくのは必定なんかなって。

大学に上がればそれはさらに精査されるし、そうやって自分の交友関係の土台ができるわけじゃん。でさ、もちろんその中から恋人候補の相手を見つけるのもアリなのは当然ちゃ当然で。

ねえ、何が言いたいかってさ。

kr「Aは一途だからさ、きっとすぐ仲直りできるって」

『ありがとう、そう言ってくれるの、きりやんだけだよ。みんな別れろって言うの、中学からずっと付き合ってるのに』

ごめんな、A。実は俺もみんなの意見に賛成なんだわ。さっさと別れて早く次行こうよ。

……例えば、俺とかにさ。

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no matter who I am
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俺が絶賛片思い中の女友達、Aには彼氏がいる。
出会った頃にはもうソイツと付き合ってた。

気遣いの塊みたいなめっちゃ良い子で、話も合うし可愛いし、愛想もよければ知識も芸事の幅も広い。そんな子俺には高嶺の花だったし、そんなAが一途に付き合ってるなら彼氏も完璧なんだろうなって、勝手に思い込んでた。

「Aの彼氏で〜す、チスチス。Aと同大？じゃみんな頭イイんすね〜」

第一印象とか、無い。こんなヤツどう見たってAとは釣り合わない。

俺はAの彼氏ってヤツを見た瞬間、失礼かもしんないけどそれしか思わなかった。
聞く限りだけど中学の同級生で、卒業する時に付き合い始めたけど高校は別。そこから大学進学で上京してさらに遠距離恋愛してたらしいんだけど。

夏を前に彼氏が浮気してたんだってさ。