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〈「ま、兎に角、そのトリオン兵をこっちに持って来ねぇ限りはどうしようもねぇな」〉
『そうですね…明らかに新型ですし、調べなきゃいけないこと沢山ありますよ。うわ大変だ』
〈「心籠ってねぇよ。しっかしそうだな………あー、ちょっと待ってろよ」〉
その言葉に静かに待っていると、携帯越しに冬島さんと誰かが会話しているのが聞こえてきた。
ごもった声しか聞こえないので相手が誰なのか推測は出来ないが、太刀川さんがそばに居たという点を考えるとボーダーの人で違いない。
難しい話をしているようなので、その相手が太刀川さんじゃない事は確かだろう。
〈「待たせたな」〉
『いえ、どうかしたんすか？』
〈「今諏訪に頼んで鬼怒田さんに繋いでもらってたんだが、今日の夜、そっちに新型を取りに行くことになった」〉
冬島さんの言葉に、私はスマホから顔を離して時刻を確認する。現在AM10:47。
三門市から米花町までは、電車だと二度電車を乗り継いで終点まで行かなければならない為、かなりの距離がある。
確かに夜まで余裕はあるし、私が三門市に帰っている間に米花町に近界民が現れたらヤバいから、私からは動けないのは分かるけども。
『ど、どうやって来るんですか？』
〈「東が車出すってよ。お前の口から説明も聞きたいから、B級隊員を数人連れてくそうだ」〉
『なるほど。じゃあ私はその数人と入れ替えで三門市に帰るんですね』
〈「そう言うこったな」〉
『OKです。じゃあ春秋さんにも直接連絡とって時間調整します』
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作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年8月26日 18時
