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『(なんてなー、ありえないかー)』


きっとこの子はドラマか何かに憧れて大人っぽい雰囲気を出してるだけかもしれない。

そんな事を考えていると、蘭ちゃんと園子ちゃんが「御手洗に行ってくるね」と席をたち、私達は二人きりになった。


「ねぇねぇ、僕早速聞きたい事があるんだけど」

『何でしょ』

「Aお姉ちゃんって近界民倒したことある?」


ボーダーに入ってればC級以上は誰だって経験するそれに、私はアイスティーを飲んでいた口を止める。


『……それは勿論あるよ。ボーダーだからね。でもどうしてそんな疑問を?』

「ううん!気になっただけなんだ!」

『ほーう』


カラ、とアイスティーの中の氷が崩れて音を立てる。目の前にいる少年はあくまでも笑顔を浮かべて子供のようにオレンジジュースを飲んでいた。
一口飲んで美味しい!と言う江戸川くん。私はそれを見て、不覚にも笑ってしまった。


「どうしたのA姉ちゃん。僕におかしいことでもあった?」

『あったあった。
江戸川くん、君は質問の仕方が下手だねぇ』

「……え?」

『いちいち近界民を倒した事があるかどうかの確認しなくても、私が“強い”のかどうか素直に聞けばいいのに』


この言葉で江戸川くんの笑顔が崩れる。なんで、と言う疑問を表情全面に出す彼。


『(ははーん。それが素だな。)』


追い込むように付け加えて『君が本当に聞きたいのはそれじゃないの?』とこちらが笑ってやれば、江戸川くんは苦笑いを浮かべた。

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作者名:-naki- x他1人 | 作成日時:2018年8月26日 18時

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