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私がボーダーだと言う事を伝えると、安室さんは目を見開いてまじかよコイツみたな目で私を見てくる。
そこには先程までの警戒心は含まれてなくて、ただ純粋に驚いているように窺えた。
「しかもA級隊員らしいですよ!凄いですよね!」
「それは、凄いですね…」
『他の隊員が凄いだけで、私なんてそんな。ゴミ屑みたいな役割しか担ってませんよ』
「なんでAはそうやって自分を下げるのよ!」
なんでって、実際ランク戦とかで動いてるのは当真先輩だし、トラップしかけて助けてくれるのは隊長だし。隊員のこと一番に思って色々してくれるのはマキリサちゃんだし。
それなのに私ときたら…。
作戦係しかやること無いよ?
作戦立てて、後はお願いしますって感じのほぼ投げやりですよ?
ランク戦とかが終わる度に「今日の作戦は良かった」とか「あの援護助かった」とか、先輩達は褒めてくださるけど。けども。ねぇ?
そこまで考えてふぅと息をはけば、安室さんが「なにかお悩みでも?」と気を利かしてくださる。
『一度自分を下げると沼の底に行くまで下げちゃうんですよ。現代で言うネガティブ思考ってやつです』
「そんなに自分を卑下してはいけません。繰り返していたら、自分のことを嫌いになってしまいますよ」
『……なんか安室さんて先生みたいですねぇ。教員免許かなにかお持ちで?』
「いえ、僕はただのアルバイトですよ」
爽やかな笑顔を浮かべた安室さん。
だけどね、安室さん。
ただのフリーターさんがあそこまで他人を警戒するはずが無いと思うんですよ。
口に出して言わないけど、貴方絶対なにか隠してますよね
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作者名:-naki- x他1人 | 作成日時:2018年8月26日 18時