【ワールドトリガー】『戦力外と言われましても。』 (ページ21)

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■"EP.19 ページ21

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見たこともない大型近界民だし更には自爆する気ですか

あー、めんどくさい

自爆とかもっとめんどくさい

けど、街の方に墜ちるのは違う

あそこには、避難所やシェルターが沢山あるはずだ

自爆されるぐらいなら…

そう思ってポケットに手を突っ込む

カチッと小さいチップ状の物が手に当たった

『っ…』

“俺の分まで頼んだ”

ふと、頭がｽﾞｷﾝｯと痛みお兄ちゃんの声が頭の中を木霊した

と同時に、あの4年前の惨劇がフラッシュバックした

『っ…さいあく…』

いや、今は、市民を助けることが最優先だ

そう思った時だった

どこからかいきなりチェーンのようなものが飛んできそれはそのまま近界民の胴体に絡みついた。

なされるがまま、チェーンに引っ張られる近界民

呆気にとられてるのもつかの間

そのまま近界民は、急に方向転換したかと思いきや川へと堕ちていき爆発した

『ｯ!藍！』

堕ちていった近界民を追いかけるように、川へと向かうと肩で息をしている藍の姿があった

『大丈夫…！？』

「っ…げほ…っ…なんとか…」

『何があって…』

「分からない
急に近界民が川に引きずり堕とされて…」

『……』

もしかして、さっきの白髪の近界民くんがやったのだろうか

少なからず、この中であんな事をできる人間はいないはず

尋常ではない感じだった

『でも…まぁ…まずは市民の安否確認と対応ね』

「えぇ…」

考えるのは後でいい

いきなり、しかも警戒区域外で近界民が現れたんだ
少なからず、ボーダーに対する批判者が現れるに決まってる

藍がそのまま市民の方へと向かっていく

私も向かおうとした時、ふと、隣から声がした

「何事もなくて良かったな」

『…空閑くん…』

そこにいたのは、空閑くんだった。

何事も無かったかのような顔してるけど、さっきのは君がやったんだよね？

「お前もボーダーだったんだな
あの木虎って奴しか自慢気に話してなかったから、てっきりお前は一般人かと思ってたぜ」

『…別に…自慢できるような事もしてないし…
それに私は…自慢できるような人間でもないから…』

「ふーん」

謙虚な奴なんだな、お前

そんな事を呟いてる空閑くんの言葉を聞かないふりをして、藍を助けてくれてありがとうね。とだけ伝えとく

さて、上層部への報告に行かなきゃね

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