因果因縁【WT】 (ページ7)

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鳩尾を外されるページ7

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「やあ」

彼女が振り返ると王子と蔵内がいた。
朗らかな笑みを浮かべる王子と少し嬉しそうな顔をする蔵内に彼女は逃げ出そうと前を向き直すも、即座に彼女の腕を掴む王子に阻まれていた。

「カジエモン」
「カジエモン」
「うん、ピッタリだと思うね」
「正気ですか？？」

「師匠お久しぶりです」
「師匠じゃないです」
「あの時合成弾のことを教えてくれたじゃないですか」
「弟子はとってないです！」

彼女は王子からのダル絡みと蔵内から師匠扱いに困り果てていた。生駒隊に続き彼女は王子隊からも逃げられず、ただひたすら非公認のメルヘンあだ名と師匠という称号を浴びていた。

「そういえばカジエモンは聞いた？今度のランク戦、ぼくたち生駒隊と玉狛第二なんだよ」

他愛もない話の中、彼女は王子のその言葉に目を開いた。そうか、玉狛第二は上位に返り咲いたのだから当たると言えば当然か、と思う彼女を置いて王子と蔵内は話し出す。
曰く、玉狛に入り浸ってる自分から情報を仰ぎたいとのこと。そう申す王子に彼女はそれこそ困り果ててしまった。

彼女が玉狛に頻繁に入り浸ってるのは事実だがそのほとんどが捕虜のヒュースの相手だった。最近は迅に頼まれ、もっぱら訓練室でヒュースとの個人戦に明け暮れている。だから玉狛第二がどんな事をしているか、というのは実の所よく分かっていない。分かっていたとしても自分の隊の出水を師に仰いでることか、嵐山隊にも世話になっている三雲のことくらいだった。

彼女はそのことを馬鹿正直に王子に伝えられず、捕虜の話などを隠し陽太郎の世話をしている話で誤魔化して伝えると、王子はそれは残念だと笑った。

「カジエモン今度ランク戦しようよ」
「あ、はいお願いします……」
「師匠、今度俺とも手合わせお願いします」
「師匠じゃないです」
「またまた」
「ほんとです！」
「十分お世話になりましたし、師匠みたいなもんですよ」
「ははは、カジエモンは頑固だなあ」

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■ 王子
Aをどこかの家事のできる芸人にしてしまった男。Aの話はよく水上たちから聞いていたのでいざ絡んでみるとリアクション芸人なAを大層気に入る。Aのアイコンは完全にドラえ○ん

■ 蔵内
Aの弟子面する男その2。Aから合成弾のやり方を教わった時期があるため弟子を名乗るも否定され続けている。半分悪ノリと半分本気なので今日もAの弟子を名乗る

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