逆さまの女神 ページ35
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「お？なんだ？何の集まりだ？」
荒船の言葉に空閑たちは視線をそちらに見やった。
荒船と穂刈はかげうらの超常連客だ。同い歳でご飯を食べに行くとなれば高確率でかげうらの名前が上がるものだから、影浦が何を文句言おうがお構い無しに頻繁に入り浸ることがよくあった。そんなことが数年も続けば立派な常連客。誰とご飯に行こうにも同い歳の仲ではかげうらが定番として定着しつつあるものだから、今日荒船たちがかげうらに足を運んでもきても別に違和感も何も無く、やってきた2人に同じく常連の村上は笑みを返した。
「あれ、こんちわ〜」
かげうらに集まって食べてたメンバーは穂刈の後ろから顔を出した彼女に視線は集まる。
彼女はかげうら準常連客で、大抵は荒船たちに引きずられる形でやってきたり何らかのご褒美の形で来ることが多い。しかし最近は彼女も忙しく走り回っていてかげうらに来るのはかなり久しぶりのことだった。
「やぁこかじ先輩」
「すごいメンバーに囲まれてるね」
「気づいたらこうなっていました。こかじ先輩は？」
「荒船先輩にしごかれた後のご褒美のお好み焼き」
「いいね」
美味しそうに焼きたてのお好み焼きを頬張る空閑を見て、彼女は穂刈の腕を叩き「はやく食べましょう」と急かす。
「もうおまえ荒船隊じゃねーのA」
「当真先輩も同じこと言う」
「他に誰に言われたんだよ」
「冬島さんと諏訪さん」
「そこかよ〜〜」
当真にぐだぐだと絡まれるのも手馴れたもので彼女は当真が項垂れるのを横目に穂刈の奥の座席に座った。
穂刈に「熱いから任せろ、俺に」と淡々と言われ大人しく頷く彼女を見届けると、荒船は影浦たちになんの話をしてたのかを洗いざらい聞き出し始めた。
その様子を見ていた村上と北添は「保護者だな」「だねぇ」と小声で話すのだった。
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作者名：40 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月26日 0時
