ゆるやかに後退 ページ8
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「ようこちゃん今日お昼から防衛任務なの？！」
「うるさっ」
「やだやださびしい行かないで〜〜！」
「昨日言ったのに聞いてないのが悪いでしょ」
「ちゃんと聞いててもようこちゃんいないなんてやださびしい〜〜」
「うっとおしい！どうせ本部くんでしょ、放課後には会えるわよ」
べそべそと泣き真似をして腰に引っ付くのを無理やりはがして「じゃあね」と、ひらひら手を振って教室を出ていく香取をAは見送る。
廊下では香取を迎えに来た三浦と若村がいるようで、香取隊ではよくある口喧嘩とそれをなだめる声が聞こえた。
普段ならここで那須隊のオペレーターである志岐の元に行くが生憎志岐は体調不良により欠席である。
「私も香取隊入ればよかった……」
「そんなこと言ったら太刀川さんたち泣くぞ」
「わ、きょんくん」
1人になり今日のお昼はどうしようかとしていれば隣のクラスの烏丸がいた。
「これ。レイジさんがAが菓子パンしか食べないだろうからって」
「えっ嘘ヤッター！うれしい、ありがとう」
どうやら弁当を届けに来てくれたらしい。
Aと玉狛との関係はとてつもなく深く、初の県外スカウトで来たまだまだ当時幼いAのことを何かと世話を焼いたのは紛れもなく玉狛の木崎で、Aが本部所属だろうと夕飯には定期的に誘うし、こうして稀に弁当を持たせてくれるのだ。
「それと今日飯来いって」
「久しぶりの玉狛飯だ。今日レイジさんが夕飯なの？」
「いや、小南先輩」
「おいしいやつだ」
ー
■ 香取
文句言いながらもAと一緒にいるしAの悪口を聞けば殴り込む友情に熱い女。Aを手中に収めようとしてる出水が気に食わないらしい
■ 烏丸
太刀川隊時代の名残でAとはかなり仲良し。実はAのことが好き。Aにきょんくんという愛称で呼ばれている人物でもある
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作者名：40 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年12月3日 0時
