最果てのエマージェンシー ページ26
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『烏丸 ベイルアウト』
彼女がたどり着いた時、初めて見る玉狛の専用トリガーを使用した烏丸が膝を着いていた。
無機質な音声アナウンスが顔を歪めた烏丸を煽り、そのまま瓶覗色に包まれた光とともに逆上していった。
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たった数分の出来事だった。
烏丸と共に三雲とC級隊員の援護に回っていたら対処出来ない量の新型が現れた。3体の新型を相手してた彼女には、突然増えた7体の新型の対処が出来ずにいたら、加勢しにきた出水たちと合流した。「泣いて感謝しろよ」と笑う出水に「泣かないすけど感謝しますよ」と返事する烏丸の背中を見て、彼女は息止めた。
「おまえ3匹も相手にしてたのかよ！」
「Aちゃんでも10体はむりなんだね」
「ちがうコイツめっちゃ硬いの！！」
「ウチの小鍛冶煽んな緑川」
加勢した3人と共に5人で増え続ける新型を相手にしていたら、鳥が飛んできたのだ。
発光する燕サイズの鳥は触れた隊員たちをキューブ状に変えていく。これは嵐山隊の木虎や、諏訪隊の諏訪がこうされたと報告を受けている。応戦しようとした米屋と緑川の武器すらキューブに変え、緑川をベイルアウトまで追い込む。
「ッメテオラ」
彼女は緑川を踏みつけていた新型を破壊する。
「ごめん！対応遅れた」
『Aちゃんいーよ気にしないで』
「おい小鍛冶、あれ！」
米屋に言われ振り向けば先程見た2人の人型とは違う人型近界民が出水と睨み合っていた。見れば出水は膝を着いている。どういうことだ、と行われた攻防を見逃した彼女には分からない光景だった。
優れた射手である出水が膝を着く姿を、彼女は今まで見た事がなかったからだ。
「高い火力。繊細なトリオンの
「意外とやらしーじゃねーか……」
彼女は無意識だった。
「バイパー＋メテオラ」
「トマホーク」
轟速でハイレインを狙う合成弾。ハイレインはそれを避けきれず左肩を削られる。
ハイレインはふ、と笑った。
ラッドで彼女の戦闘ぶりを見ていた時からずっと、高いトリオン能力と戦闘スキルを見込んでいたからだ。加えてサイドエフェクト。ハイレインは金の雛鳥の確保の他に乗じて彼女の確保も視野にしていた。
「目に狂いはなかったな。やはり活きのいい娘だ」
ハイレインは薄く笑った。
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作者名：40 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年12月3日 0時
