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「Aちゃん帰ったで」
しばらくして照史がひとりで２階に上がってきた
『………ごめんな』
「ホンマ、不器用な男やわ」
向かえの席に座ってニカッと笑う
「会いたかったんやろ？」
『…………俺は、
会いたかった
会いたくて会いたくて、Aのこと、ちっとも忘れられんかった』
突然愛するひとがいなくなってしまって、行き場のなくなった俺の想いは
ただただ彷徨ってるだけやったんや
「それが聞けて良かったわ。
ほな、そんな素直な淳太くんにええこと教えたる」
『は？』
照史がさらにイタズラっ子の様な笑みを浮かべて続ける
「今日はもう帰らなあかんねん。
明日また来るな！」
どないなってんねん
ええことってなんや
照史のせいで、俺は次の日の夜までモヤモヤと考えさせられる時間を過ごすことになった
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作者名：そら | 作成日時：2020年2月10日 15時
