Judge myself２……(赤) (ページ5)

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SAT.５ページ5

「……どうも」

一口すすると、思いのほか熱かった。これじゃあ、ごくごく飲んでささっと帰るというわけにはいかんな、いっそのことアイスにしとけばよかったやんな、などと思っていたら、

「…………その傷どうしたん」

神山さんが、俺の右頬を指差した。

「あぁ、これ………」

指でなぞると、まだ少し痛みが走った。

先日の誘拐事件主犯である西尾にナイフで切られた経緯とか濵田のこととか説明すんのが全部面倒やって、仕方なく言い訳を考える。

「これは、……例の騒ぎで、マスコミから逃げ回っとったら、ちょっと有刺鉄線でやっちゃったんすよ」

神山さんはどこか不服そうに呼気を漏らした。多分これが嘘やとは見抜かれとんな。

「どこに逃げ込んだら、そんなんになんねん」

俺は苦笑いで誤魔化した。

視線を外し、辺りを見回す。

あれからAとは一切会うてへんし、連絡もとってへん。

まぁ、スマホもないんやけど。

早いとこ新しいの買わんと、あいつに次会うたときに文句のひとつでも言われるかもわからんなぁ。