SAT.4 ページ4
「本日の訓練はこれにて終了する。解散」
初日を終え、俺たちは部隊長室で食事をしながら、少し話をすることになった。
一度は断ったんやけど、神山さんにどうしてもといわれ、しゃーなしに応じた。メンバーは俺と神山さん、部隊長と亀田さん。
「ま、優秀なのはいいことだ……ちょうどいい。その5人は重岡、お前に預ける」
そう言った部隊長を、亀田は少し怪訝な目で見た。
「強いのばっか、固めんほうがええんやないっすか」
部隊長は「いや」とかぶりを振る。
「第一小隊の制圧一班は、SATの顔だ。実力者がそろうに越したことはない。特に今回は、上からもそういう編成にするようしつこく言われてるしな」
今後の訓練日程について打ち合わせをし、その夜はそれで部隊長室を辞した。
神山さんが俺の肩を叩く
「コーヒーでもどうや」
「いまいらないっす」
「まぁ、そう言わんと」
踵を返し、彼は隊の食堂に向かって歩き始めた。本気で面倒やったけど、断る理由を考える方がもっと面倒や。
「どれがええ」
「適当で」
「なんか言うて」
「………ブレンド、ブラックで」
頷く神山さんに背を向け、少し離れたとこに席をとる。
すぐに神山さんは同じカップを両手に持って向かいに座った。一方の中身は砂糖とミルクがたっぷりのモンやけど。
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作者名:そら | 作成日時:2021年2月28日 9時