Judge myself２……(赤) (ページ19)

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SAT.１９…No side ページ19

隊員たちが即座に車両を取り囲み、警戒態勢をとる。

すぐに公用車の二台とも助手席が開き、秘書だろうか、動きの機敏な関係者が車両後部をぐるりと回った。

車体右側の後部ドアが開けられ、まず降りたのは警護課のSPで、彼らが周囲を窺い(うかが)、それからようやく先行車両から渡辺が、後続車両からは大沼が降りてくる。

ウオォーーっと、聴衆が一気にヒートアップする。

そのときだ。どこかでパパパンッと、何かが爆(は)ぜる音がした。銃声と聞き違えるようなものではなかった。おそらく爆竹。だがその場所を確かめようと、大沼たちから目を離したのは神山だけではなかったようだ。

目を戻したときにはすでに、公用車の辺りは信じられない光景に様変わりしていた。歩道からあふれ出した聴衆が、大沼たちのいるところまで押し寄せてきているのだ。

そうなると、もうどれがSATの隊員で、どれが大沼でどれが秘書なのかも分からなくなった。そこかしらから悲鳴や怒号が聞こえてくる。

「こちら小隊長、Ａ班、Ｂ班どうした！？」

自分の声すらよく聞こえないのだから、重岡たちにもこの声は届いていないだろうし、仮に届いていてもその応答を神山自身が聞き取れるとは到底思えなかった。