SAT.49 ページ49
俺はP9Sをその場に捨て、単細胞は単細胞なりのやり方でケリをつけることにした。
こいよ、ほら
まずは左ローキック。スッと西尾がステップバックする。だが逃さない。もう一歩詰めて左ジャブ。当然、西尾は右に避ける。
俺は、西尾が自分の攻撃をどう避けるか、予想しながら拳を、蹴りを、繰り出して行った。容易には組み付けないと分かっとる。
俺は根気よく、パンチとキックを動かしていった。途中で西尾も、こっちに何かしらの意図があることを察したようやった。バタフライナイフを尻から抜き出し、動きの中でそれを開き、突き出してくる。
___おっと、あっぶねぇ………
奴の攻撃はナイフのみや。そこだけ注意すれば決して難しい相手やない。
バックハンドブローの要領で、西尾が
___あぶねっ
俺は慌てて首を引いて刃を避けたが、途中で西尾は一本柄を放し、
「んぐっ」
それが俺の右頬を強打した
頬の肉が潰れ、口内に血の味が広がる
___マズイ
リズムが狂った。同じ柄が、今度は胸元を襲ってくる。ちょうど先っぽがみぞおちに入り、息が詰まった。
距離をとろうと下がっても、西尾はぐいぐい前に出てくる。
流れは、コイツのものになりつつあった。
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作者名:そら | 作成日時:2021年2月28日 9時