SAT.31 ページ31
「おいこら。これ離せや」
「はい、いいですよ。なんて言うわけがないでしょうよ、班長さんよ〜」
「チッ」
俺はあれから総理とは別行動にさせられ、ここがどこかもわからん場所の一角に、またも繋がれてしもた。
歌舞伎町内の古びた空きビル……といったとこやろか。俺を監視しとるのは、いまは三上のひとりだけやった。
生憎、二度も同じ手を喰らうアホやないんでね、俺は靴の中に忍ばせておいた器具を使って、三上にバレへんように縄を切る。
「おまえらの目的はなんや」
「えー?なんだっけなー。西尾さんの革命ってとこですかね〜」
「総理はどこへやった」
「さぁ〜、俺は細かいことわかんないんすよ」
それが本当だとしたら、コイツはただの駒っちゅうことやな
__ザザッ、
よし。切れた。
俺はタックルを切るのと同じ動作で左足を引き、素早く三上の背後に回った。
「え、ちょっ、はっ!?」
動きながら引き抜いたP9Sを、三上のこめかみに突きつける。
「西尾のとこに連れてけ」
「あんた、いつの間に……」
三上は理解が追いついてへんようやった。
三上の肩の後ろで引き鉄を引く。軽い破裂音。閃光の瞬間だけは目を逸らす。熱い硝煙が自分の頬にもかかる。
「んぐっ………」
「もう一度言うで。俺を西尾んとこに連れてけや」
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作者名:そら | 作成日時:2021年2月28日 9時