生活安全課.29…side you ページ29
信じ難い事実と向き合いながらも、私は食い入るようにモニターを見つめてあることに気付く。三上が広場で落ち合った仲間の中に、ひと際目立っている赤装束の男………
『主任………その赤いの、西尾じゃないですか』
さほど大きな声で言ったつもりはないが、予想外に多くの者が反応した。
「なにっ?」
「あ、本当だっ」
「………この件にも絡んどったのか」
横山主任も忌々しげに呟く。
数時間後、私は他の女性警官たちと共に、本部の全捜査員にお茶を配っていた。
心中は穏やかじゃないけど、何かしていないと悪い想像ばかりが頭を過ぎってしまう。
私は、改めて講堂を見回した。
今は監視カメラの映像記録から、三上、並びに西尾の行動確認と、大沼総理の所在を特定する作業に多くの人員が割かれている。だがそれも、なかなか簡単にはいかないようだった。
防犯カメラでは、歌舞伎町の出入り口付近が、いま警察が最も見たい死角地帯になっている。
特殊班の男性捜査員の多くが、劇場前広場付近の偵察に何度か行っているが、一般人がうようよと出入りしており、店舗の入り口などの死角は、やはり表からではどうやっても見られないというのだ。
…………重岡さんだったら、どうするんだろう。どうしても考えてしまう。彼のことを。彼ならどう考えるだろう。どう行動するのだろう。
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作者名:そら | 作成日時:2021年2月28日 9時