臆病 - T.D ページ36
「A、」
「ついてくるか？東京」
？
堂前、さん？
ぼんやりとした視界の中、堂前さんの優しい声だけが耳に響く。
表情はよく見えないけれど、なんだか寂しげに私の髪をそっと撫でていた。
「Aがおらん生活とか生きていく自信ないわ」
「あーーー俺がおらんなったら絶対他の奴にちょっかい出されるやん、どうしよ」
言葉の意味を考える余地もないまま、また強烈な睡魔が私を襲った。
「じゃあね、A」
私の頭に乗せられていた堂前さんの手の感触がふっと消えた。
堂前さん、
呼び止めなきゃいけないはずのに、どうしたって声が出なかった。
堂前さんが触れた所の熱がじんわりと冷めていく。
『ど、堂前さん！』
そう叫んだ勢いのままベッドから飛び起きる。
いつもと変わらない景色と、経験したことのないような量の汗と、尋常ではない頭痛と吐き気と、
それから、
微かに香る君の匂い。
まだ頭がはっきりとしないままベッドの傍の時計を見る。もう12時を過ぎていた。
昨日の飲み会の後の記憶がほとんど無い。
東京進出組の送別会という名の飲み会で浴びるほど酒を飲んだ。
少し離れたテーブルにいる堂前さんがふわふわと笑っている姿をみて、自分がいなくても楽しそうな堂前さんを見て、寂しくなってしまったのかもしれない。
きっと堂前さんは東京でも上手くやっていくだろうし、私のことなんてすぐに忘れてしまうかもしれないし、私とは別に可愛がる後輩を見つけて、それで、、。
考えれば考えるほどただただ虚しくなるばかりで目の前にある酒をひたすらに飲み続けた。
そうすることでしか寂しさを紛らわせなかった。
それから、誰かとタクシーに乗ったような、そんなぼんやりとした記憶しか残されていなかった。
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さき - 芸人さんの言葉遣い操るのうますぎです…最高です！！！これからも楽しみにしています！！！ (2023年1月23日 15時) (
レス) @page29 id: 5ea285ba75 (このIDを非表示/違反報告)
伊入(プロフ) - はじめてコメント失礼します、リクエストなのですが、堂前さんととにかくイチャイチャするお話しがみたいです、よろしくお願いします！！ (2022年1月21日 20時) (レス) id: 6a2f245552 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - 初めまして！九条さんと辻さんにかわいがられて、後輩芸人の主が恥ずかしくなっちゃう話がみたいです！ (2022年1月18日 10時) (レス) id: fbaaa02cac (このIDを非表示/違反報告)
hhhhhhhhac(プロフ) - 堂前さんの嫉妬みたいな感じのお話みたいです！いつも見させていただいています！ (2022年1月8日 19時) (レス) @page20 id: 62779a0b72 (このIDを非表示/違反報告)
なお - いつもお話楽しませてもらってます！夜遅くにベロベロに酔った川西さんにめちゃめちゃかわいがられるお話読みたいです🥺 (2022年1月8日 18時) (レス) id: 5a42cc6d8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかき | 作成日時：2021年8月10日 20時
