帰り道 - T.D ページ2
にゃー
いつも通る道、いつも見る景色、いつも居る猫。君。
私がバイトから帰宅する道のりに、たまに君が現れる。
ただ猫とじーっと目を見合わせている君を、
最初は変な人だな、と思って正直引いていたけど、
最近はなんだか君の雰囲気そのものが猫に思えて仕方ない。
君がいない日の帰り道はなんだか憂鬱で、
君がいた日の帰り道はなんだか心がじーんと温かくなる。
「猫、好きなんですか」
なんて話しかけようと思ってもう3ヶ月が経ってしまった。
自分の度胸の無さに少しうんざりする。
バイトの帰り道。いつもの場所。
猫をしゃがんで見つめる君の姿はなくて。
空き地で戯れる猫たちを
私も君と同じようにしゃがんで見つめてみた。
「猫、好きなんですか」
『え』
声の方を見上げると、それは間違いなく君で。
いつも通りすがりに見てただけの君が目の前にいる。
私がずっと言えなかった言葉を、簡単に言ってしまう。
「あ、いや、すみません、僕もいつもそこで猫見てて。だから、その.....」
『怪しんでないですよ、別に』
急に慌て出す君を見て、ふっと笑ってしまった。
そんな私を見て、君も同じように柔らかく笑った。
不思議な空間。
君と話すとなんだか優しい気持ちになる。
私、たぶん今君の雰囲気に惹かれてる。
『知ってます、いつも通るんですここ。バイトの帰り道で。』
あ、やばい。気持ち悪いこと言っちゃったかな
「え、見られてたってこと？恥ずかしいわ、それは」
照れ笑いをして少し俯く君が可愛くて仕方がない。
『猫、好きなんですか』
ずっと聞けなかったこと、今なら聞ける気がして。
「好きですよ。飼ってますし。」
"好き"という言葉に胸が高鳴る。
家で猫と戯れる君を想像したら、自然と笑みがこぼれた。
「可愛いんですよ。ほんまに。」
いつの間にか隣でしゃがんでた君と、目が合う。
やばい、心臓の音が。
顔、赤くなってませんように。
『名前、なんて言うんですか』
「堂前です。堂前透。」
『いや、違くて、猫ちゃんの。』
「あー、あ、ハフです。ハフ。」
お互い顔を見合わせて笑う。
なんだこの、感じ。胸がいっぱいで、溢れそう。
『来ますか。明日も。』
ちょっと攻めた質問。
「うーん、じゃあ来ようかな。」
じゃあ来ようかな、って、
私のために？
なんて、
そんなわけないか。
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さき - 芸人さんの言葉遣い操るのうますぎです…最高です！！！これからも楽しみにしています！！！ (2023年1月23日 15時) (
レス) @page29 id: 5ea285ba75 (このIDを非表示/違反報告)
伊入(プロフ) - はじめてコメント失礼します、リクエストなのですが、堂前さんととにかくイチャイチャするお話しがみたいです、よろしくお願いします！！ (2022年1月21日 20時) (レス) id: 6a2f245552 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - 初めまして！九条さんと辻さんにかわいがられて、後輩芸人の主が恥ずかしくなっちゃう話がみたいです！ (2022年1月18日 10時) (レス) id: fbaaa02cac (このIDを非表示/違反報告)
hhhhhhhhac(プロフ) - 堂前さんの嫉妬みたいな感じのお話みたいです！いつも見させていただいています！ (2022年1月8日 19時) (レス) @page20 id: 62779a0b72 (このIDを非表示/違反報告)
なお - いつもお話楽しませてもらってます！夜遅くにベロベロに酔った川西さんにめちゃめちゃかわいがられるお話読みたいです🥺 (2022年1月8日 18時) (レス) id: 5a42cc6d8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかき | 作成日時：2021年8月10日 20時
