捕虜くんと私2【ワールドトリガー】

DAY 30 ページ2

玉狛支部にヒュースが来てからかれこれひと月経つらしい。

私は…私にとっては…このひと月は長かった気がする。

15年間生きてきて初めてこの気持ちを知ったのだ。

人を愛すること。

私はようやくそれに気づいたのだ。

嗚呼…ヒュースのことを思うだけでこんなにも胸が熱くなる。

どうやら私は相当キてるみたい。

自分の気持ちを自分の中だけに留めておくのはキツイ。

未だに面と向かって「好きだ」と言えてない。

顔を合わせるのも辛いけど最近は目も合わせられない。

夕方部屋に来た時もそんな私の様子を見て心配してくれていたみたいで

「おい」

ヒュースはずっと下を向いていた私の顎を持ち上げて私の目をじっと見た。

「何を考えている？」

「え？」

思わず聞き返したけど分かってる。

「え…えっと…」

この私を焦らせるなんて…やるな…

「俺を見ろ。目をそらすな。」

そういう言い方はズルいよね!!

目をしっかり見てるとそのまま顔が近づいてきて

「ちょっ…!?」

「なんだ？何か問題でもあるのか？」

もちろん抵抗なんか出来るはずもなくて

目を閉じると唇がそっと合わさった。

暖かくて溶けそう。

しばらくすると唇が離れたのを感じた。

「………ヒュース…」

「………璃音…」

凄く幸せな気分になる。

だけど、どことなく物足りない。

きっとヒュースも同じだろう。









人間と近界民…結ばれるのって、無理かな？

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