氷と雷が描くイナイレ界part3 (ページ31)

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危機的状況……？ページ31

チトセ「瑩さんがショウの事を好き？」

聖良「うん。どうなのかなーって思ったので。僕の素朴な疑問なんですが」

リク「えーっと……それは無いですね」

カヤ「無いね、うん」

あっさりと言ってのける皐月さんとカヤ様の2人に、意外だと僕は思った。

あんなに空さんの事言ってるのに……？

葉月「瑩さんにとっての聖羅ちゃんは、友達と呼んでくれた初めての人で、崇拝するべき相手。それ以上でも以下でもないんだ。
アレは好意というより、過度な心酔、単純に尊敬だよ」

リク「ちなみに俺はリーダーを敬愛すべき人だと思ってます！リーダーを尊敬する気持ちだけは誰にも負けません！」

チトセ「張り合うな張り合うな」

葉月「……ま、性別的にも有り得ないんだけどネ」

聖良「……？はー君、何か言いましたか……？」

葉月「んー？何が？俺は何も喋って無いよ」

輝莉「それにしたってさ。瑩……だっけ？あの人。初対面で言うセリフじゃなくない！？何であんな失礼なのさ！」

瑩「誰が、失礼なのですか？」

不意打ちで飛び込んできた声に、思わず輝莉はギクッとする。

まるで油の切れたロボットのようにギギギッと音が付きそうなぎこちなさで振り返る。

瑩「他人の陰口を言える度胸はあるんですね。逆に感心致しますよ」

輝莉「あ、あんただってそんな変わんないじゃん！思ってる事ズバズバ言っちゃってさ！」

瑩「私は伝えたい事をハッキリ言うだけです。ウジウジしてる方がみっともないです」

輝莉「それ、は……」

何か言い返そうとして、輝莉はハッと息を呑む。

……血だ。

黒くて気付かなかったが、瑩のベストには今しがた掛かったばかりの血が滴っていた。

聖良「……！」

輝莉「え、ちょっ……何それ、どうしたのさ？」

瑩「お気になさらず。私のものではありませんので」

チトセ「またか……」

葉月「今度は何人だった？」

辟易とする柊が自身の額に手を当て、葉月は普通に問いかける。

瑩「40……いえ、50名ほどです。向こうも埒が開かないと思い始めたのか、大幅に戦力を切り捨てに来ましたね」

輝莉「ちょっと、何の話……？」

完全に自分のわからないテンポで会話が進んでいくので、一旦止めに入る。

葉月「……盗賊だよ」

聖良「盗賊……？」

チトセ「そうだ。理由は知らんが、ショウの身柄を狙っている輩供がいてな。名前はDesert Ocean(デザート・オーシャン)、エリトリア国の盗賊一味だ」

Desert Ocean……砂漠の大海？