氷と雷が描くイナイレ界part3 (ページ27)

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気がかりページ27

葉月「今は自分の"家"で安静にしてるらしいよ」

カヤ「ソラの主治医は義母の雅さんだからな。今は弁護士だけど昔薬剤師だったらしくて、ソラの薬も雅さんが処方して作ってる」

聖良「身内にお医者さんがいるのは、心強いですね……」

輝莉「……あのさ。ちょっと気になったんだけど」

小さく手を挙げて、回答の機会を作る輝莉。

輝莉「今、葉月君は空さんが吐血したって言ったよな？」

葉月「ウン、言ったね」

輝莉「で、家で安静にしてる、と」

チトセ「そうだ。雅さん、今は医者じゃないからな」

輝莉「それっておかしいと思わない……？」

カヤ「おかしい、って……何がよ？」

輝莉「何かで見たんだけど、アレルギーなら特定の食べ物を食べてから数時間以内に運動をすると症状が現れるものなんだろ？
特定の食べ物を食べただけでは症状は起きないけど、食べたあとに運動をすると症状が出る」

チトセ「そうだ、よく知っているな」

輝莉「でも、アレルギーなら症状が出た時にすぐ搬送するものだろ？なのに病院には運ばずに自宅療養。
……まるで病院に行かせるのを避けてるみたいに見えるんだよな。
元薬剤師が主治医ってのも気になるけど、家で安静にしてて良くなるものだとはとても思えないんだ」

葉月「……今日のキミは冴えてるね。その通り、実は聖羅ちゃんの古い知り合いに元情報屋の人がいてね。キミ達2人もちょっと会ったコト、あるよ？」

輝莉「え、誰だろ……情報屋って事は、大人の人だよな……」

聖良「……あ、もしかして、あの無口な赤毛の人、ですか……？」

聖良の能力は相手の考えを見る事ができるので、個人情報などは把握できる。

あまり会話はしなくともわかるのだ。

葉月「そう。その人曰く、正確には"入院しない"、じゃなくて"入院できない"んだ」

聖良「入院、できない……？」

葉月「彼女も6年前に色々あったみたいでね。医療機関を利用できない立場にいるんだよ」

聖良「利用できない、って……不便ですね」

カヤ「べっつにどうでも良くね？ソラの事だし、いつもの事だろ？」

椅子の背もたれを前にして跨っている水狂言が我関せずと言った様子でコンシューマーゲームで遊んでいる。

手元のボタンをガチャガチャしてる辺り、なぜか苛立ってるようにも見えた。

聖良は彼が何を思っているのか見ようとするが……、やはり無理だった。

このDEAD Ruinのメンバーの中では、今の所葉月以外の人の思考をなぜか読む事が出来ないのだ。