氷と雷が描くイナイレ界part3 (ページ18)

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気になるページ18

海から帰って来て翌日の部活中。どうも輝莉と聖良の様子がおかしい。

おかしいと言うよりどこか挙動不審な感じで、特に葉月と柊が何かやり取りしている時にこちらをじっと見ている時が多くなった。

こちらが見れば向こうは視線を逸らす。

葉月は背を向けて聖良と話す輝莉を逆にじっと探るが、すぐに見るのをやめた。

チトセ「葉月、どうかしたか？」

葉月「いや？どうもしないよ」

柊が葉月にタオルを渡す。

青龍の中等部のサッカー部にはマネージャーがいない分、たまに時間がある時にはこうやって柊に手伝ってもらっている。

葉月「…………」

……まただ。星野さんは薄い紫の、舞川さんは青の煙が動揺を示して揺れている。

葉月「俺、何かしたかなあ？」

チトセ「こら葉月。俺が言わなくっても、ちゃんと汗は拭けってよ」

葉月「わっ、もう。チトセ君ってば乱暴なんだから」

抵抗するよりも先に、柊がタオルの端を掴んで葉月の顔をごしごし拭く。

葉月「ちょっと、そんな乱暴に拭かないで。肌が傷付くデショ」

チトセ「……っと、そうだった。お前はおしゃれにも美容にも気を遣う方だったな」

葉月「清潔感も大事だからね。ニキビがあるより、無い方がイイ男の秘訣だもの」

チトセ「自分で言うのかよ」

葉月の発言に、ふっと柊が表情を綻ばせる。

……普段は何かと言い争う2人だけど、中等部の生徒会長と副生徒会長というのもあって結局は心を許している節があるのだろう。

男子中学生なりのじゃれあいもあるからそんなものかなとも思うが、叱るにしても葉月君とチトセ君の距離感は親しいそれに近い気がする。

……あんな未来まで見てしまったせいか、少々過敏になってしまっているのかもしれない。

今は練習に集中しよう。気にしていたって仕方ない。

聖良はゴール側に向き直り、グラスフロッタントを打つ。

ジェイさんは驚いたような顔をした後、真上に飛び上がって右拳でシュートを地面で挟むように殴り付けた。

ジェイ「クエイクパンチ！」

そのパンチは大地をも揺るがし、グラスフロッタントを止めてしまう。

うーん、さすが元でも名門校と言うべきか。

ジェイ「……うん、この前の遠征より確実にシュートの精度は上がっているな。舞川ならもっとやれると思うぞ」

聖良「ほんとですか……！？」

正直、動作を複雑化し過ぎたかな、とも思っていたが、これで良かったようだ。

成長しているのなら、尚更だ。