嘘ははじまり【SZ】

〜＊２８〜 ページ32

勝利side オリエンテーション3日目




『ふーまくん、寝相悪くない？』


ベッドを覗くと、

布団もシーツも丸まってた




風「うっせーなー、やっぱり外行くか」



怒ったように言ってきて


布団見られたことを拗ねてるように見えるけど



多分俺の相談が軽いもんじゃないってわかって



部屋の人に聞こえないようにしてくれる、風磨くんなりの優しさだと思う



一昨日もそうだったもんね






風「んで？」



『俺、放送委員一緒になったよ

もっと、Aちゃんに近付ける


もっと知れるよ』




Aちゃんと真野山の関係を、 ってどっちも真野山だけど笑



それだけじゃなくて

Aちゃん自身のことも




風「そりゃーよかった



でも、相談ってそんなんじゃないだろ？」






あっさり見破られる





『ばれたか





俺があいつを1人にさせたときがあって


そのときにきっと何かあったんだと思う』




風磨くんは黙って聞いてくれてる


だから止まらなくなる




『誰も信じないって


キライ！って叫んでた



すっごい悲しそうだった


口ではそんなこと言ってたのに

心は泣いてるみたいだったっ⋯！』






しばらくの沈黙のあとに




風「そういうときに一緒にいてやれないでどうすんだよ」




静かに、けどはっきりと言ってきた




『俺はそんなの下手くそだから⋯


風磨くんが⋯』


風「そこにいたのは俺じゃねーじゃん

お前だろ？」



え？

風磨くんを見ると


風「行ってこい」




"大丈夫かな"



"大丈夫"



そう会話できた気がした


力強くうなずいて、俺はAちゃんの部屋に向かって駆け出した




⋅

〜＊２９〜→←〜＊２７〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す