嘘ははじまり【SZ】

〜＊２１〜 ページ24

勝利side オリエンテーション1日目




「ほらー、消灯時間過ぎてっから寝ろよー」




先生の声が響いてるけど


誰も寝るはずなんてなくて





電気だけ消して、みんな騒いでる


先生の足音が遠ざかると、みんな違う部屋に遊びに行っちゃった





残ったのは消灯前から寝てる奴と、俺だけ





俺もふーまくんのところ遊びに行こっかな









「ねー次どうしよっかー？」


「何する？てか、いつ？オリテ中？」





階段の方から聞こえてくる声


多分、女子



「Aのやつ、あいつほんといじめがいあるよねw」




「ほーんと、あの人もいい標的与えてくれたよねー」









Aちゃん？いじめがい？



何言ってんの


てかあの人って誰だし





意味わかんない





そもそも誰？



階段の踊り場を、こっそり覗く





七宮と松野と川口じゃん


あいつらいっつも



"しょおりくぅーん！"

とか寄ってきてベタベタしてくんだよね



あんなぶりっこしといて裏ではこんなことしてんだ




そういうやつが1番嫌いなのに







それに

俺の好きな人をいじめるなんてね？




論外でしょ









『風磨くん、さっそく証拠みっけた』





風「まじ？すげーな」



部屋じゃまずいから、2人で外に出る




『えーっと、七宮と松野と川口ってやつ』



風「へぇー、あいつらそういう名前なんだ」



『知ってるの？』



風「前に現場みたことある」




悔しそうにそう言ってる






好きだから、いじめられてたのが悔しいの？



それとも助けられなかったから悔しいの？






⋯どっちもかな




風「主犯は莉奈で間違いないんだけどな


さすがにボスだと巧妙だな」




『自分の彼女がいじめの主犯って

どう？』




風「騙されてた自分が馬鹿みたい」




そう吐き捨てた



彼女が


自分の好きな子を、しかも彼女の双子を



いじめてるなんて知ったら






そりゃ悔しいよね







大丈夫、俺は風磨くんの味方


協力するよ






だから


俺のこの気持ちは⋯









秘密かな




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