嘘ははじまり【SZ】

〜＊１９〜 ページ22

貴方side オリエンテーション1日目




『そろそろ帰ろっか、寒くなってきたし』






ドアの方に向き直って、松島くんに背を向けていう



あんなこと、自分からしちゃうなんて



恥ずかしいし


自分でもびっくり




なんで、なんであんなことしちゃったんだろう





誰も、信じない

友達なんて、要らないよ



そう思ってたけど








今日1日過ごして


みんな周りは楽しそう



部屋に着いてからも

話す人はいない



それでも前は良かったけど


健人くんさえいれば良かったけど



"あのっ⋯、次って何するんでしたっけ"

そう聞いても

"マリちゃんとか聡くんに聞けば〜"

って返されるし



しかも、


"真野山さん、悪いけどベッド、１人でもいい？奇数だからさー"

それで、夜もみんなで盛り上がってるけど


私は入れず



そんなときに一緒にいてくれる健人くんとはクラスも違うし階も違うから

オリエンテーション中はあんまり会えないかもしれない



これじゃ中学までとおんなじ



それが嫌だから、心を閉ざしたのに

傷付いてたらおんなじだよ





"自分の居場所はないんだ⋯"

そう思うと息苦しくなって、屋上に逃げ出した







そうしたら松島くんが来て


やっぱり寂しかったんだよね




いつの間にか手を握ってたけど






"あんたなんか要らない、キライ"


頭の中で

昔言われたことがよみがえって




『なんでもない⋯』


手を離した




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