96話 ページ10
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鬼を倒したと一通り喜んだ後、
私達は助けられなかった人達のお墓を作る事にした。
『私がもっと早く来れたら助けられたかもしれなかったんだなぁ…ごめんなさい。』
鬼殺隊の人達のために、たくさんの刀を作ってくださって本当にありがとうございました。
♢
そして帰り道、私は顔に傷がある強面の青年をジーっと見ていた。
彼はこちらに気づいて顔を赤くしている、可愛いじゃねえか。
『あの、お名前なんて言うんですか?私はAAです』
玄「えっ…えっと…不死川玄弥…って言います…」
『しなずがわぁぁぁ?!?!もしかしてお兄ちゃんいる?!居るよね!うっそ本当に不死川?!』
私が急に大声を出すので玄弥君は凄い驚いている。ごめんねこんな先輩で。
『うわぁ師範にも弟が居たんだぁ。玄弥君!!よろしくね!私はね、君のお兄さんの継子だったんだよ?』
玄「そ、そうなんすか…!兄ちゃ…兄貴には継子が居たんですね」
『うん!1年くらい前までだけどね!すっごい怖かったよ!よく殴られてた!!』
刀鍛冶の里からの帰り道、私はずっと玄弥君と喋っていた。いや一方的に私が話してただけなんだけどね。
玄弥君すっごい緊張してて可愛かったな!
師範もあんな感じだったら可愛いのに!!
そんな私達を嫉妬の眼差しで睨んでいる無一郎君が居たなんて私は知らなかった。
ムスッ
無「(僕頑張ったんだけど褒めてくれないわけ?)」
♢
そして炭治郎君と玄弥君、無一郎君と蜜璃ちゃんは思いの外ボロボロなので蝶屋敷に入院する事になった。
あれ、皆と一緒に私も戦ってたはずなんだけどな。
胡「Aさん無傷じゃないですか。どうしたんです?」
『いや、私もちゃんと戦いましたよ?!なに?!』
胡「いえ、何も無いですけど…ただ大丈夫かなって思っただけです」
しのぶちゃんも私は何もしていないとか思ってるわけ?!
ムキー!!悔しい!!!
今日からもっとたくさん鍛錬してやる!!!!
『私のクソッタレ!!!』
私は何もできなかった自分への暴言を吐き、蝶屋敷を走り去った。
♢
昔聞いたことがある、呼吸を使う者に痣がでると。
きっと無一郎君の顔に出ていた模様はそれだ。
痣が出ると身体能力が飛躍的に上がるらしい。
私にもその痣が出るのだろうか、いざという時に皆の役に立てるのだろうか。
そんな事を思い、私は鍛錬を始めた。
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作者名:わさび | 作成日時:2020年10月30日 4時