１１２話 ページ26
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冨岡さんにイラついた私は、とりあえず今日から稽古に加わった隊士達が居るであろう宇髄さんの元へ向かった。
この時の私は、冷やかしてやろうぐらいのつもりでいた。
のちにあんな事になるとも知らずに。
♢
宇「遅い遅い遅い！！何してんのお前ら！意味わかんねえんだけど！！」
いやぁ派手に怒ってらっしゃる。
なんでも隊士達の基礎体力の無さに怒っているらしい。
そんな宇髄さんと隊士達を眺めながら私は宇髄さんの奥様、雛鶴さんがお出ししてくれたおにぎりとお茶を飲んでいる。
いやぁ平和だ。
ちなみにおにぎりの具は梅干しが好き。
宇「おっAじゃねえか、丁度いいお前のド派手な走りっぷりをコイツらに見せてやれよ！！」
『ﾓｯﾁｬﾓｯﾁｬ…ごめんなさい私今…ﾓｯﾁｬﾓｯﾁｬご飯食べているのでﾓｯﾁｬ他を当たってくださいﾓｯﾁｬ』
宇「お前何しに来たの？」
『いや暇なんでﾓｯﾁｬﾓｯﾁｬ様子見に来ました。ﾓｯﾁｬﾓｯﾁｬどんな感じかなって』
宇「つうかいつまで食ってんだよ。暇なら鍛錬してけ！柱がそんなんじゃこいつらもだらけちまうじゃねえか！ホラ走れ！」
『えっ…！！！！嫌なんですけど…！！私は隊士達が来るまでの時間を有意義に使おうとしたのにこんな鬼派手男のせいで体力も時間も消費したくないのですが』
宇「おーいお前ら！！鳴柱のAがお前らのために一緒に走ってくれるそうだぞ〜！気合い入れろよ〜！」
鬼め…
体格差で勝てないと分かっているからしないけど、一発ぶん殴ってやりたいぜ…
でも宇髄さん片目と片腕ないし、いいハンデだよね…もしかしたら勝てるかも…？
♢
私がくだらないことを考えてる間に、稽古に参加していた伊之助君に見つかり私もみっちり走らされた。他の隊士達も急にやる気を出して私が途中で抜けられない空気にするもんだから皆と一緒にずっと走っていたよ。
気づいたら3時間近く経っていたよ、もう嫌だ。
でも奥様達の美味しいご飯は食べられたから許す。
『じゃあ皆引き続き明日も頑張るんだよ〜！』
後輩隊士達とはこうやって話す機会がなかったけど、割と打ち解けた気がするな！
皆私の稽古に辿り着けるように頑張りますって言ってくれたし私も皆の期待に応えられるような鍛錬を用意しておかなければ…！
いや真面目か！！
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作者名：わさび | 作成日時：2020年10月30日 4時
