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107話 ページ21

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『しのぶちゃんこんにちはー』



胡「何しに戻ってきたんですか、私はそんなに暇じゃないんですよ。」




なんでそんな冷たいの?





『いやぁ柱稽古するってなったけど、皆はどんな稽古内容なのかなって参考にさせてほしくて聞きに戻ってきました!』



胡「あぁ、その件ですね。その件なら申し訳ないのですが私は柱稽古には参加しません。他にやるべき事があるので」




『えっ、そうだったんだ…ごめんねなんか忙しい時に』



胡「本当ですよ」



『オイ』




胡「Aさんには話しておかなきゃいけませんね…」










しのぶちゃんは真剣な顔をして私を蝶屋敷の一室に通してくれた。



胡「私はこれから、鬼の珠世さんという方と鬼舞辻無惨を倒す為の薬の研究をします。」



『鬼…?』



胡「はい。私も最初は驚きました。ですが珠世さんという方は唯一、鬼舞辻の呪いから解放された鬼のようです。そして医学に詳しく、共同であの男を倒す薬を作る事になりました。」



『…』



胡「私もまだ半信半疑です、お館様の言葉を信じてないわけではありませんが…」



胡「そしてもう一つ、いつ起きるかは分かりませんが最終決戦で私は死ぬ必要があります。」




『ど、どうして…?なんでそんな事を言うの…?』





胡「姉さんを殺した…あの鬼を殺すには私はそいつに食われる必要があるからです。その鬼はきっと私の毒では死にません、なので私は1年以上前から藤の毒を服用していました。


私の体重37キロ分、致死量の700倍です。
さすがの鬼もきっと弱体化させられるはずです。」





何も言葉が出なかった、死んでほしくないに決まってる。
けど私達は鬼殺隊。鬼を殺す為ならば自分の身は捨てる覚悟で皆生きているんだ。





しのぶちゃんだってそうだし、私だってそう。
彼女は姉の仇を取るんだ。その怒り、憎しみ、痛いほど分かる。





だからこそ何も言えなかった。




胡「だから、Aさん。今のうちに伝えておきます。あなたのような人に出会えて本当に良かった。Aさんは私の姉のように優しくて、安心感がありました。そしていつも温かい気持ちにしていただきました、本当にありがとうございます。」




『やめてよ…!なんでそんな事今言うの?最後じゃないよ…そんなのやだよ…』





胡「ふふ、Aさんは絶対に勝って生き延びて下さい。いつか私に話してくれた夢を叶えて下さい」

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作者名:わさび | 作成日時:2020年10月30日 4時

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