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目黒side
A「蓮くん見てー！すっごくきれいだよ！
看護師さんに、ここが一番きれいに見えるよって連れてきてもらったの！」
そう言って花火を見せてくれる電話越しのAは本当にうれしそうで、俺も幸せな気持ちになった。
「A、来年もまた花火見ような！」
A「うん！ 今度は隣で手繋いでね！」
それからのAは、ごはんもしっかり食べるようになって、体の痛みもだいぶ落ち着いたようで退院まであと一息。
時々結花ちゃんもお見舞いにきてくれて、Aにいつもの笑顔が戻ってきた。
「A、今から1階の外来のところのコンビニ行ってみない？」
そろそろ体調良さそうな時は病院内歩いてお散歩とかして大丈夫だよと言ってもらえたから誘ってみたんだけど、
何日もベッドの上で過ごしてたから想像以上に体力が落ちていたみたいで歩けない…と弱気。
「ゆーっくりのペースで大丈夫だからさ、ちょっと歩こう？」
しっかり歩けるくらいの体力を戻さないことには退院もできないから、俺もちょっとスパルタになる。
「ほら、立って。点滴ゆっくり押して引っかからないようにね。」
A「…コンビニ遠い…」
「なんでよ！笑 エレベーターまで頑張って歩けたら後は降りたらすぐだよ？」
A「エレベーターも遠いもん。」
「文句言わないの。リハビリだよ、リハビリ。」
少しヨタヨタで危なっかしいAの背中をしっかり支えて歩く。
「ほら、もうエレベーターまで来れたよ？
コンビニで何買おうか？」
A「アイス…ぶどうの丸いやつ。
蓮くんと分けあいっこして食べるの。」
急にそんなかわいいこと言うから思わず頭をクシャクシャって撫でちゃった。
「うん。分けあいっこしような。」
無事コンビニでお目当てのアイスをGETして、病棟の談話室に向かう。
結構な時間をかけて、病棟に戻ってきたら、
看護師さんたちに、病院デート楽しかった？
なんて声かけられたりして。
談話室は貸切状態で、外を見渡せる位置のソファーに並んで座る。
ぶどうのアイスを一粒Aの口に入れてあげたらニッコニコの笑顔が見れた。
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作者名：kappanda | 作成日時：2023年7月14日 22時
