DIOと僕の非日常 二次創作

１０.なりきり ページ14

「序鳴、少し髪を切りましょう。」
皿洗いをしていたらテレンスさんが話かけてきた。
「・・長いですか？」
真ん中分けにしている前髪を濡れた手でいじる。口の横ぐらいの長さだ。
「DIO様が仰られましたので。確か、ジョナサンがなんとか・・。」
ジョナサンと聞いたとき、手がピタリと止まった。
水道水から水が流れる音が部屋に響いてる。僕の顔は今どうなっているのかがわからない。
頭の中は皿を洗うことを忘れて、ジョナサンへの嫉妬でいっぱいだった。
「どうかしましたか？」
テレンスさんの声でハッとした。
「いえ、なんでもないです。じゃあ終わったらテレンスさんの部屋にいきますね。」
作り笑いをして、お皿を洗う作業に戻る。

「テレンスさーん、入りますよー。」
「あぁ、序鳴。ここに座ってください。」
白い大きな布を首あたりに巻いて、髪が目に入らないように目をつむる。
五分後、テレンスさんの声で目を開ける。
「３ｃｍぐらい切りました。まぁ少しかわりましたね。あぁ、あとこの服に着替えろとDIO様が。」
テレンスさんが持ってきた服は綺麗な服だった。見るからに昔の貴族の少年が着ていそうな服で、DIO様が言うから恐らくジョナサンが着ていた服だと確信した。
「わぁ、すごく綺麗な服。この服もテレンスさんが作ったんでしょう？」
無理して感情を込めようとしたら声が震える。なんとか作り笑いをする。
「まぁそうですよ。着替えたらDIO様のところに行きなさい。」
「うん。ありがとうテレンスさん！」
テレンスさんの部屋から出た瞬間、顔が思いっきり歪む。
胸元のリボンを握った手が震えて目頭が熱くなった。







「ふぅ・・うっ・・・。DIO様ぁ・・。」

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