battle129 ページ44
*ショッピ side*
コ「俺には“先輩”の資格なんてっ……」
物陰から盗み聞きしていた俺は、先輩の言葉とこぼれ落ちる涙に驚きを隠せなかった。
先輩の涙なんて、初めて見た。
それほどまでにあの人は悩んでいたのか……。
何か声をかけたいのに、上手い言葉が見つからなくてその場に立ち尽くす。
とそこへ、たまたま通りかかったらしい人物が声をかけてきた。
「ん？ ショッピ君やないか」
ｼｮ「っ！ あ…シャオロンさん……」
俺を不審そうに見ていたシャオロンさんだったが、先輩たちの様子に気付いて納得したようだ。
シ「あのシッマが泣くなんて……」
ｼｮ「……俺のせいです。俺が、まだまだ弱かったからっ……」
うつむく俺に、シャオロンさんは静かな声で告げた。
シ「……あのなショッピ君。戦争でたくさんのモノを失って泣く人らが多い中……あいつは一度も涙を見せんかった」
ｼｮ「え……」
あの日から…ずっと……？
シ「周りの奴らは、『あいつには心が無い』なんて言うてたけど、そんな事ないんよ。……訊いてみたんや、本人に。そしたらあいつは、いつもみたいに笑ってこう言った」
『後輩が帰ってきた時に、笑顔で迎えるためや』
シ「『世界一誇れる自慢の後輩や』って……しつこいくらいに言うてたで」
先輩が…俺の居ない間にそんな事を……。
シ「お前らはな、お互いを思うあまり余計な事を考えすぎなんや。護り合うんじゃダメなんか？」
護り…合う……。
お互いが…お互いを……。
ｼｮ「……ありがとうございます」
深々と頭を下げる俺を見て、シャオロンさんは察したように微笑んだ。
シ「行ってやり、あいつのとこ」
ｼｮ「はい」
しっかりと頷き、俺は先輩の方へ向かった。
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空文 加菜(プロフ) - もちもちさん» ありがとうございます！ いろいろ盛り込みすぎて自分でもたまに何が書きたいかわからなくなるんですがね…(笑) これからもちまちま更新していきますので、気長に気楽にお付き合いくださいm(_ _)m (2018年9月30日 21時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - 空文 加菜さんの作品とても大好きです…！(急な初コメ失礼します) 世界観がなんかすごいって感じで心引き込まれます… 更新頑張ってください！ (2018年9月30日 20時) (レス) id: 1ca193c490 (このIDを非表示/違反報告)
空文 加菜(プロフ) - 紺狐(ユウ)さん» ありがとうございます！ 率直な感想嬉しいです…(泣) この先もお付き合いよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年9月28日 18時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
紺狐(ユウ) - 初コメ失礼しまっす! トン氏...良いッスね.. 空文 加菜さんの毎回心に響き泣いてしまいます! ゆっくりでも良いので頑張ってください! (2018年9月28日 17時) (レス) id: 6446cf17af (このIDを非表示/違反報告)
空文 加菜(プロフ) - ERAさん» ありがとうございます！ のんびりやっていきますので、気長にお付き合いお願いしますm(_ _)m (2018年9月2日 21時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
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