battle80 ページ33
*グルッペン side*
ゾ「お前は……───俺を裏切らんよな？」
自分の胸元を掴み、泣きそうな顔をするゾム。
それを見て、俺は思わずゾムを抱き締めた。
グ「裏切るわけないだろう……！！ お前は俺の大事な仲間だ。突き放したりも見捨てたりもしない」
ゾ「ホンマに……？ ホンマのホンマ？」
小さく震えるゾムの頭を、優しく撫でてやる。
グ「ああ……本当だ」
その体勢のまま、目を伏せる。
グ「すまない……俺が直接行ってやらなかったから、不安になってしまったんだな」
そう言うと、ゾムはハッとしたように離れて慌てた。
ゾ「ち、違う！ 別にお前が悪いわけじゃ……」
グ「いや……あの場で動かない事を選んだのは事実だ。お前に危険が及ばないようにと配慮したつもりだったが……結局、お前を苦しめてしまった」
ゾ「そ……そんな事ないっ！！！」
突然大きな声を出すゾムに驚き、目を見開く。
ゾ「お、俺はっ……お前の選択が間違ってるなんて思った事一度も無い。お前の事……信じてるから。信じれる奴やって、認めてるからっ……」
グ「ゾム……」
ゾムの言葉が素直に嬉しく、ふっと微笑む。
グ「そう思ってくれているなら、俺もしっかりしないとな。……もう夜も遅い。お前も休めよ」
背を向けて出ていこうとする俺を、ゾムは思い出したように呼び止めた。
ゾ「あっ……ちょっと待ってくれ！ あの時ヤツらが言ってた事で…みんなに伝えとかなアカン事があるんやけど……」
グ「……コネシマたちにもか？」
こくりと頷くゾムの顔を見て、事の重大さを察する。
グ「……わかった。明日、皆をここに集めよう。その時に話してくれ」
ゾ「おう……」
横を通り過ぎて出ていこうとするゾムに、背を向けたまま悪戯っぽく笑う。
グ「一緒に寝てやろうか？」
ゾ「ハァ!? な、何言うてんねん？ いい年した大の男が……」
グ「独りは……不安なんだろう？」
ゾ「っ……！」
振り向くとゾムは、腕で顔を隠しながら口を開いた。
ゾ「同じ部屋に…居てくれる…だけで…ええ……」
隠しきれていない真っ赤な耳が子どもっぽく、おかしくて笑ってしまう。
グ「いいだろう」
ゾムの背を軽く叩き、促す。
文句ありげに見下ろしてくるゾムだったが、諦めたように歩きだした。
グ「眠れそうか？」
ゾ「さぁ……どうやろなぁ」
そう呟くゾムを横目で見上げ、思わず笑みがこぼれる。
グ「笑っているゾ」
ゾ「放っとけ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「軍パロ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空文 加菜(プロフ) - ゆきさん» 悩むんですよねぇ彼の口調…。結局途中で変えるという(笑) (2018年8月14日 4時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - まってwwひとらんの口調に笑わせられるww (2018年8月14日 0時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
空文 加菜(プロフ) - 兎危@緑君は天使です。これ絶対←さん» うわぁ…妄想がはかどr(( (2018年8月8日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@緑君は天使です。これ絶対← - 空文 加菜さん» ですね...w筋肉凄い(こなみ)らしいですよ。知りませんけど() (2018年8月8日 22時) (レス) id: 83b7e38493 (このIDを非表示/違反報告)
空文 加菜(プロフ) - 兎危@緑君は天使です。これ絶対←さん» そうなんですか(笑) 結構厳しいお人になっておりますね…w (2018年8月8日 17時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
