♯5 ページ41
貴「ここが…」
早速調べた結果、神は母子家庭で育ったらしい。
今はそのお母さんの家の前。
案外いつも私が買い物に来るところに近かった。
身元がバレないようにフードを深く被る。
それから、扉の金具を叩こうとした。
でもその前に、聞こえてきた。
人が殴られる鈍い音、それと一緒に、苦しそうな神の声が。
動きが、止まった。
なんで、なんで動けないの？
動いてよ…早く…早く…。
もう間に合わないかもしれないのにっ…。
その時突然開いた扉を避けると、丁度ドアの後ろに隠れてしまった。
神が、フラフラと出てくる。
貴「か、み…」
掠れた声は神の耳には届かなかった。
いつのまに、こんなに意気地無しになったのだろう。
？「…もうちょっとで、あの子も壊れる」
貴「…それ、どういう意味ですか」
咄嗟にそう言っていた。
きっとこの人が神のお母さん。
ふんわりとした髪がそっくりだ。
突然現れた私に、その人は顔を歪める。
母「貴女には関係無いでしょ？」
…確かに、私は関係ないのかもしれない。
でもこのまま、神が壊れていくのを見続けるのは、嫌なんだ。
貴「…貴女は、神を壊してなにがしたいんですか？もう立派な大人な彼に、いつまで執着するんですか？」
母「だから貴女には関係無いって言ってるでしょ」
いい加減にして。と言いながら扉を閉めようとするが、それを押さえる。
生憎、最近は訓練してるから、力は私の方が強い。
それに私には、トラウマという鎖が無いから、もっと。
貴「…貴女は、実の母親なんですよね？なのに何故、彼が傷付くような事をするんですか。彼が自分に付き従うのが、そんなに良いんですか」
母「うるさいっ！！」
貴「…本当は貴女が、彼に依存してるだけなんじゃないですか。貴女は自分勝手な理由でっ、神を壊そうとしてるんじゃないんですかっ！！」
母「うるさいうるさいうるさい！！！だったらなんなのよ！！あの子は私の子供なの！！私にはそれをしていい権利がある！！！」
貴「そんなものないっ！！！！！」
いきなり大きな声を出した私に、彼女は叫ぶのを止めた。
私は続ける。
貴「子供は道具じゃない。いくら自分で産んだ子供だからって、その子の自由を奪って良い理由にはならない！
人生は、その人の物。それは家族であろうと、決して曲げてはならない物なんです」
それだけ言って、私は城を目指した。
早く、早くしないと、手遅れになってしまう。
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あまだぬき - 生まれて初めて小説で号泣しました…（；ω；）一番大好きです！！ずっと応援します！！（因みに１日で全部読みました←） (2019年6月9日 20時) (
レス) id: 38006c9f1d (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ソフィアさん» 私も好きです。(唐突返し←) (2019年5月19日 2時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 好きです。(唐突) (2019年5月19日 1時) (レス) id: 9f5b306141 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - trapさん» また暫くしたら初めから読みたいと思います！まだまだ読みたいなと思い続と書かれているのを見る度ガッツポーズでした！ (2019年5月14日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - すみれいんさん» こんなくそ長い小説をここまで読んで頂きありがとうございました！お仕事中も脳内を支配できたならこちらとしても嬉しい限りです( ＾∀＾) (2019年5月12日 13時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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