♯4 ページ40
城に戻ってからはいつも通りの日常
…という訳にはいかなかった。
あれから何度も母さんに呼び出され、毎回同じ事をさせられる。
毎度聞かれる質問にも、答えれてなかった。
そのせいかもしれない。
徐々に昔の様になってきた。
暴力、暴言を浴びせられ、体には痛々しくそれが痕を残している。
俺は、離れられない…。
言わないと、また一人になる。
あの人だけが、俺を愛してくれる。
幹部でさえ、信用できなくなってきている自分が嫌い。
頼れない自分が嫌い。
こんなに汚れてる自分が嫌い。
何も出来ない、無能な自分が嫌い。
本当の笑顔で、笑えない。
薄っぺらい仮面を張り付けてしまう。
そんな自分が、この世で一番嫌い。
神「ははっ…ははは、…あーあ…」
もう…耐えられない…。
真っ赤に染まったカッターが床に落ちて鋭い音を立てる。
や、っちゃった…やめてたのに、また。
でも仕方ない…元の自分を保つためには、こうしなきゃ。
笑えないから。
辛い。辛い。
…こんな事したって無意味だって、分かってる。
分かってるけど、俺は、弱いから。
皆みたいに、過去と向き合えないんだ。
日に日に、傷は増えていった。
手首の回りは、赤い線で埋まっている。
白衣で外からは見えない。
手首以外の傷も増えていった。
打撲、切り傷、火傷、タバコ痕、鬱血．．．。
幸い首とか顔には無いから、簡単に隠せる。
あーでも、グルッペンとかは怪しんでたなぁ。
こんなの見たら、きっと離れていくだろうね。
＊
＊
Aside
あの日の神、様子が変だった。
そう感づいた日から、私は訓練してるときも勉強してるときも、神の事が頭から離れなくなった。
なにかある。
ただの憶測に過ぎないが。
そして今日もあの日のように買い物を頼まれた。
我々国にしかない薬だから、ここに買いに来なきゃいけない。
確かこの辺で、前は神と会ったんだ。
今日も、神を見つけた。
でもその時の神の目は、暗く濁っていた。
前の神じゃないことは明らか。
絶対、何かあったんだ。
…今度、調べてみよう。
神の過去に何があったのか。
きっとこうでもしないと神は一人で抱え込む。
そして、いつか
壊れてしまうから。
…神が私を救ってくれたように、私も、神を救いたい。
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あまだぬき - 生まれて初めて小説で号泣しました…（；ω；）一番大好きです！！ずっと応援します！！（因みに１日で全部読みました←） (2019年6月9日 20時) (
レス) id: 38006c9f1d (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ソフィアさん» 私も好きです。(唐突返し←) (2019年5月19日 2時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 好きです。(唐突) (2019年5月19日 1時) (レス) id: 9f5b306141 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - trapさん» また暫くしたら初めから読みたいと思います！まだまだ読みたいなと思い続と書かれているのを見る度ガッツポーズでした！ (2019年5月14日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - すみれいんさん» こんなくそ長い小説をここまで読んで頂きありがとうございました！お仕事中も脳内を支配できたならこちらとしても嬉しい限りです( ＾∀＾) (2019年5月12日 13時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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