♯2 ページ38
あぁ…上手く、息が出来ない…
まだ俺は、解放なんてされてなかったんやな…
…本当は俺に、Aちゃんの自傷も、自 殺も、止める権利なんか無かった。
だって俺も、そうやったから。
腕には自傷の痕いっぱいあるし、死のうともした。
それでもAちゃんを止めたのは、何でだろう。
そんなの簡単。
―――初恋だったんだよ。Aちゃんは。
たまたま向こうの世界、Aちゃんの元の世界に行ってたときに、たまたま出会った。
腹部から血を流して倒れてるAちゃんと。
気を失う直前、言ったから。
『ｯま、だ…しに…たくな…ぃ…しりたい…こと、が…』
そう言ったから。
気付けばAちゃんに対して能力を使っていた。
それから世界と世界の狭間の空間で、俺はAちゃんの過去を見た。
ふと思ったんだ。
この子を、守ってあげたいって。
完全な一目惚れだった。
あぁ、話が逸れたな。
俺は、あの人に会いにいかなあかんのやっけ？
俺の実の母親。そして、俺を女性嫌いにした張本人。
でも逆らえないから。
俺じゃ、逆らえない。
神「…Aちゃんが帰ってくるとき、いつも通り出来るかな」
不安に思うのは、いつもAちゃんの事。
＊
＊
確かここ、だったはず。
あれからまた新しい手紙が送られてきて、3日ほど経った。
指定された場所に一人で来る。
城下なんて久し振りやなぁ。
？「…久し振りね。しんぺい神。」
神「っ…そう、ですね。」
指定された場所は、路地裏。
大通りの方を見ていた俺の後ろから、細い腕が首に絡み付く。
…怖い…。
震える手を何とか抑えようと、左手でギュっと握る。
神「…かぁ…さん…」
母「えぇ、そうよ。しんぺい神も随分大きくなったわね」
神「うっ…俺に何の用、ですか…っ？」
服の下に手が侵入してくる。
気持ち悪い…けど…逆らえない…。
俺じゃ、この人に刃向かえない。
母「…ねぇ、久々に、やらない？」
耳元で囁かれた声は、酷くまとわりつく。
逆らったら…また…一人になっちゃう…。
捨て、られる…。
神「わかったっ…わかった、から…やめてや…」
嫌いなのに、怖いのに…感じる自分の体が嫌だ。
本当はこんな汚れた体、今すぐ捨てたい。
嫌い…嫌い嫌い嫌い嫌い…。
でも誰も、見てくれないから、僕はこの人に縋ることしか出来ない。
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あまだぬき - 生まれて初めて小説で号泣しました…（；ω；）一番大好きです！！ずっと応援します！！（因みに１日で全部読みました←） (2019年6月9日 20時) (
レス) id: 38006c9f1d (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ソフィアさん» 私も好きです。(唐突返し←) (2019年5月19日 2時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 好きです。(唐突) (2019年5月19日 1時) (レス) id: 9f5b306141 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - trapさん» また暫くしたら初めから読みたいと思います！まだまだ読みたいなと思い続と書かれているのを見る度ガッツポーズでした！ (2019年5月14日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - すみれいんさん» こんなくそ長い小説をここまで読んで頂きありがとうございました！お仕事中も脳内を支配できたならこちらとしても嬉しい限りです( ＾∀＾) (2019年5月12日 13時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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