♯5 ページ36
貴「はぁっ…はぁ…どこ行くの…グルさん…」
グ「なんだ、もう息切れか？」
貴「グルさんが…速いんだ、って…」
戦争が終わってちゃんと事情を説明した私はトントンに説教を喰らって、また元のように我々国の幹部となった。
戦争も無事に勝ってかなりの量の仕事を終わらせて束の間の休日…と思っていたのだが。
何故かグルさんに腕を引かれて森を走っている状況。
かなり長い間走った気がする。
グ「もう少しだ」
着いたぞ
膝に手を付いて息を整えてから、顔を上げた。
そこには、一面の花畑が広がっている。
貴「…きれい…」
こんな景色を見たのは、初めてかもしれない。
こんなに、暖かい景色は。
また腕を引かれて花畑の間を縫っていく。
上から見たらすっぽり隠れるくらいの大きさだ。
そして着いたのは、一本の木の前。
大きく聳え立つそれは、庭に植えてある桜の木よりも、もっと大きい。
グ「…昔、お母様に教えてもらったんだ。『孤独な木の穴にある。孤独な木は、いつも綺麗な花達に囲まれているわ。』ってな。昔の俺にはよく分からなかった。でも今は」
木に近付くと、よりその大きさが分かる。
近くに来てみると、確かに木に穴が開いていた。
グルさんはそこに手を突っ込む。
グ「ちゃんと解読することが出来た」
穴から出した手には、小さな箱が握られている。
グルさんは私の左手を優しく掴むと、箱を開けた。
そこには、綺麗な黒の宝石の付いた指輪が入っていた。
グ「A。俺はどんな時でも、お前を愛することを誓う」
貴「…ぅｯ…ぅぅ…」
グ「ほんとに泣き虫だな…Aからは無いのか？」
貴「ぅ、…わたしも…グルさんを、どんなときでも、愛します…」
左手の薬指に指輪が通され、親指の腹で涙を拭われる。
でもそれ以上に、涙が溢れてしまう。
すると腰と後頭部に腕が回ってきた。
そのまま、引き寄せられる。
貴「んぅ…」
優しいキスをされ、頭が回らなくなる。
本当にいつも、彼は突然である。
グ「…なぁ、A。これからも、
俺だけのもので居てくれないか?」
貴「…私も、グルさんだけのものが良いな」
グ「…可愛いこと言いやがって」
貴「肯定の返事しただけ」
それからも、キスは続いた。
グ「甘いキスのがええか？」
貴「ふふっ、なにそれ」
心無しか、グルさんとのキスは、甘かった。
私の彼氏は、黒色の甘党総統。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 371人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまだぬき - 生まれて初めて小説で号泣しました…（；ω；）一番大好きです！！ずっと応援します！！（因みに１日で全部読みました←） (2019年6月9日 20時) (
レス) id: 38006c9f1d (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ソフィアさん» 私も好きです。(唐突返し←) (2019年5月19日 2時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 好きです。(唐突) (2019年5月19日 1時) (レス) id: 9f5b306141 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - trapさん» また暫くしたら初めから読みたいと思います！まだまだ読みたいなと思い続と書かれているのを見る度ガッツポーズでした！ (2019年5月14日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - すみれいんさん» こんなくそ長い小説をここまで読んで頂きありがとうございました！お仕事中も脳内を支配できたならこちらとしても嬉しい限りです( ＾∀＾) (2019年5月12日 13時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
