♯2 ページ33
『はぁ…はぁ…トントン君！見て！！』
『ほぇ…すげぇな。こんな所あったんか』
『俺とトントン君だけの秘密！』
『…秘密、やな』
今日は総統室から抜け出して森にやって来た。
ここは昔、勉強も稽古も嫌になった俺がトン氏と共に逃げ出してきた場所。
正確にはトン氏を無理矢理連れてきたのだが。
まぁ細かい所はどうだって良いだろう。
ここに来たのも何年振りか。
確か…もう10年以上も昔か。
最近はこんな森の奥まで来ることが無かったからな。
一面に花畑が広がったこの場所は、まだ誰にも知られていない。
中心には、でっかい木がある。
桜ではなく、普通の葉桜だが。
そこの下に腰掛ければ丁度良い風が頬を撫でる。
絶好の昼寝場所だ。
たまには、こう言うのも良いだろう。
＊
＊
『グルッペン。貴方には、教えてあげる。私が代々受け継いできた指輪の場所』
グ『な、なんですかそれ！宝探しみたいですね！！』
『ふふっ、でもただ言うだけじゃつまらないから、頭の良いグルッペンを信じて、ヒントをあげるわ』
グ『ヒント、ですか？』
『えぇ、そう。…孤独な木の穴の中。孤独な木は、いつも綺麗な花達に囲まれているわ』
グ『…そ、それがヒントですか？』
『えぇ。グルッペン。いつか、心から愛する人が出来たなら、その人にその指輪をあげなさい。きっと、幸せになれる。グルッペンが心から選んだなら、きっとね』
＊
＊
？「―――き…ぉ…ろ…おき、ろ…起きろ…起きろグルさん」
肩を揺すられた振動で目を覚ます。
どうやら本当に寝てしまったようだ。
眩しさに何度か瞬きをし、ゆっくりと目を開ければそこには、呆れたように笑うトン氏の顔があった。
表情からするに怒っていないらしい。こっちこそ珍しいな。
グ「ぁ…トン氏か…」
ト「よ。起きたか？」
グ「あぁ…よく寝た」
ト「まさかここに来とるとは思わんかったわ」
グ「久し振りにここの存在を思い出してな。来てみたんだ」
するとトン氏も俺と同じように横へ腰かける。
二人して空を見上げた。
この感じも久し振りだ。
グ「…さて、そろそろ帰るか」
ト「せやな。帰ったらきっちり仕事してもらうで」
グ「…やはりもう少しここに」
ト「ん？(^^)」
グ「ア、ハイ」
地獄の始まりやな。
あー書類アレルギーにでもなりそうだ。
…いや既になってそうだな。
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あまだぬき - 生まれて初めて小説で号泣しました…（；ω；）一番大好きです！！ずっと応援します！！（因みに１日で全部読みました←） (2019年6月9日 20時) (
レス) id: 38006c9f1d (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ソフィアさん» 私も好きです。(唐突返し←) (2019年5月19日 2時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 好きです。(唐突) (2019年5月19日 1時) (レス) id: 9f5b306141 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - trapさん» また暫くしたら初めから読みたいと思います！まだまだ読みたいなと思い続と書かれているのを見る度ガッツポーズでした！ (2019年5月14日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - すみれいんさん» こんなくそ長い小説をここまで読んで頂きありがとうございました！お仕事中も脳内を支配できたならこちらとしても嬉しい限りです( ＾∀＾) (2019年5月12日 13時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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