♯4 ページ31
貴「…いっつも思う事がある」
兄「唐突になんや」
いつも通り同じ銘柄の煙草を吹かしながら此方に視線を送ってくるのは、私の彼氏さんである兄さん。
そしていつも気になること、と言うのは煙草の事である。
シッマや大先生、エミさんも吸ってるし、よっぽど美味しいのかな？
と、ふと疑問に思った。
貴「煙草って美味しいの？」
兄「俺はな」
貴「ふーん…」
私ももう成人してるし、煙草吸ってみよっかな？
と言えば即行で却下された。
なんで兄さんは良くて私は駄目なんだろ。
大人は直ぐ…って私も大人か。
それでも気になるものは気になる。
ずっと兄さんが吸っている姿を見ていると、
兄「…あんま見られると落ち着かんのやけど…」
と目を手で塞がれてしまった。
あ、兄さんの手って大きい。
呑気にそんな事を考えていれば、薄く開いていた唇にキスされた。
突然の事に何も反応できない。
貴「ｯｺﾞﾎｯ…ｹﾞﾎｯ…」
同時に噎せてしまった。
なんか…苦い…。
手が退けられると、兄さんはニヤニヤと笑っていた。
兄「そんだけでそれやったら煙草なんて無理や。諦め。」
その言葉でさっき自分がされたことを思い出す。
口渡しで煙草の煙送られた。
兄「まだまだ子供やな〜」
貴「…うぅ…」
また子供扱いされた。
もう子供じゃないのに。
いっつもはされる側だけど、今日は私の方からキスをしてやった。
兄さんは驚いて目を見開いている。
貴「…私だって、大人だけど…」
兄「…そうやな」
貴「うわっ？！」
ベッドに並んで座っていた私は、いつの間にか兄さんに押し倒されていた。
左手をぎゅっと絡ませられる。
煙草は消されていた。
貴「に、兄さん？」
兄「今日の今日までAの事子供やと思っとったからこう言うことせんかったけど、大人やったらええよな？」
貴「…やっぱり子供で良いです…」
兄「ははっ、冗談やて」
兄さんのは冗談に聞こえないから心臓に悪い。
笑いながら退く兄さんにやっぱり今日も勝てなかったな、なんて思う。
兄「Aの心の準備が出来るまでは、いつまでも待つから。出来れば生きとる間がええけど」
優しく頭を撫でながらそんな事言ってくれるから、私はまた溺れていく。
兄「だから、俺と、
未来を歩んでくれませんか?」
突然のプロポーズにドキッと胸が鳴る。
…やっぱり兄さんは、いつも私をリードしてくれる。
貴「何処までも、着いていきます。」
私の彼氏は、紫色のわんわん。
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あまだぬき - 生まれて初めて小説で号泣しました…（；ω；）一番大好きです！！ずっと応援します！！（因みに１日で全部読みました←） (2019年6月9日 20時) (
レス) id: 38006c9f1d (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ソフィアさん» 私も好きです。(唐突返し←) (2019年5月19日 2時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 好きです。(唐突) (2019年5月19日 1時) (レス) id: 9f5b306141 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - trapさん» また暫くしたら初めから読みたいと思います！まだまだ読みたいなと思い続と書かれているのを見る度ガッツポーズでした！ (2019年5月14日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - すみれいんさん» こんなくそ長い小説をここまで読んで頂きありがとうございました！お仕事中も脳内を支配できたならこちらとしても嬉しい限りです( ＾∀＾) (2019年5月12日 13時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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