♯4 ページ18
「ちぇ…良い所なのに邪魔すんなよＳ。」
？「その女性嫌がってんだろ。さっさと仕事戻れ。」
「…わーったよ。しゃあねぇな。」
そう言って男は立ち去っていった。
今度はさっきＳと呼ばれた男が俺に近付いてくる。
咄嗟に身構えてしまったが男のシルエットがはっきりすると警戒よりも驚きの方が勝った。
あれ、こいつ俺より身長低い。珍し。
？「さっきは仲間がご迷惑を御掛けしました。大丈夫ですか？」
ロ「あ、はい…大丈夫です…ぁ。」
つい地声で話してしまった。
その声に反応してか、男の動きがピタリと止まった。
薄暗くて表情は見えない。
？「…もし、かして…ロボロ…？」
さっきの声とは裏腹に、高い、一言で言えば”女性”の声でそう聞かれる。
今の俺は名前を偽っている。
だから、身内しか知らない筈。
それに、俺を知っている女性は、リナを除いて一人しか居ない。
ロ「…A、やんな…？」
貴「ｯ…う、ん」
ロ「ｯAっ！」
俺はAを抱き締めた。
女の姿やから変かもしれんけど、今はそんなの気にならんかった。
愛しい人が生きている、それだけで嬉しかった。
貴「ロボロ…ロボロ…！」
ロ「…よしよし」
気になることは山ほどあった。
なんで居なくなったのか、なんであの男の仲間になっているのか、なんで男装しているのか。
でもそんな事より、今はAに帰ってきてほしい。
いつものAに、傍で笑っていてほしい。
ロ「A…帰ろうや…」
貴「…でも…今、敵同士だよ？…今私が居る国、我々国と、戦争、始めようとしてる。だから、」
ロ「やったら尚更、俺の傍に居って。Aがこれ以上危険な目に会うんは…耐えられん。」
貴「ｯ」
驚いたような顔をして、Aは俺を見詰めてくる。
今の体勢だと、自然と上目遣いになる。
…そんなつもり無いんやろうけど。
貴「…いい、の…」
ロ「え？」
貴「めい、わくばっか…掛けちゃうけど…良いの…？」
目に涙を浮かべながら心配そうにそう聞いてくる。
そんなん、当たり前やん。
Aからの迷惑やったら、全然耐えられる。
…あばよくば、俺のものになってほしいけどな。
ロ「ええよ。やから、笑って？」
貴「…うん…うんっ…」
あーあー笑ってって言ったのに…余計泣いてどうすんねん。
手の甲で掬うも、止めどなく溢れてくる。
心を鷲掴みされるような気分になりながら、Aの涙が止まるまで待ち続けた。
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あまだぬき - 生まれて初めて小説で号泣しました…（；ω；）一番大好きです！！ずっと応援します！！（因みに１日で全部読みました←） (2019年6月9日 20時) (
レス) id: 38006c9f1d (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ソフィアさん» 私も好きです。(唐突返し←) (2019年5月19日 2時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 好きです。(唐突) (2019年5月19日 1時) (レス) id: 9f5b306141 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - trapさん» また暫くしたら初めから読みたいと思います！まだまだ読みたいなと思い続と書かれているのを見る度ガッツポーズでした！ (2019年5月14日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - すみれいんさん» こんなくそ長い小説をここまで読んで頂きありがとうございました！お仕事中も脳内を支配できたならこちらとしても嬉しい限りです( ＾∀＾) (2019年5月12日 13時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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