♯5 ページ14
貴「見て見てっ。」
彼の前でクルクルとその場で回って見せる。
すると嬉しそうに微笑んだ彼は、優しく私の手を握った。
鬱「すっごい似合っとるで。僕には勿体ないわ。」
貴「そんな事ない。私の方が、勿体ないよ。」
狭い空間で、二人白い服に身を包んで笑い合う。
そろそろ時間だと、大先生は走って部屋から出ていった。
入れ違いで、トントンが入ってくる。
ト「…ほんま綺麗やな。大先生には勿体ないわ。」
皆口を揃えて大先生に私は勿体ないと言う。
そんな事ないのに。
大先生の方が、私には勿体ない。
スーツに身を包んだトントンと一緒に教会の前まで来た。
緊張する。
ト「はいはいもっとリラックス。」
貴「り、リラックス…リラックス……リラッ○マ…？←」
ト「やめなさい。」
貴「はい。」
トントンのお陰で少し落ち着いてきた。
そして、扉が開かれる。
う”…やっぱり緊張が…。
神「Aちゃんめっちゃ綺麗やで〜！大先生には勿体な〜い！！」
グ「あんな奴止めて俺にしないか？」
鬱「ちょｯ、グルちゃん？！」
全然緊張していない彼は、呑気に茶番を繰り広げている。
羨ましい…なんで緊張しないんだ。
祭壇の前で伸ばされた彼の手を掴み、代わりにトントンと離れる。
鬱「待って。真顔過ぎて怖いんやけど。」
貴「…ダッテ、キンチョウスルンダモン。」
鬱「か、片言ぉ！」
ほらほらしっかりしぃや。
ぺちぺちと両手で頬を軽く叩かれて、目が合う。
レース越しでよく見えないけど、心なしか顔が赤い…気がする。
オ「新郎新婦前へ。」
貴「お、オスマン格好いい…」
オ「やろぉ？俺にする？」
鬱「え”？！もう目移りしてもうた？！？しっかりして！！」
貴「うぃー」
ほっぺを引っ張られて変な声が出る。
たく、心配性だなぁ大先生は。
それからオスマンの心地よい声の誓いを聞き、それに返事をする。
貴「浮気したら駄目だよ？」
鬱「絶対しません。」
それから、向かいあった。
鼓動が速くなる。
レースを上げられて、はっきりと大先生の顔が見えた。
その顔は、幸せそうに赤められている。
鬱「A。僕と一緒に、
幸せな家庭を築いてくれますか?」
貴「ふふ、喜んで。」
オスマンの誓いのキスの合図も待たずに、私は大先生にキスされていた。
幸せそうに目を瞑っている大先生を見て、私も目を瞑った。
私の夫は、紺色の無能であり有能な人。
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あまだぬき - 生まれて初めて小説で号泣しました…（；ω；）一番大好きです！！ずっと応援します！！（因みに１日で全部読みました←） (2019年6月9日 20時) (
レス) id: 38006c9f1d (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ソフィアさん» 私も好きです。(唐突返し←) (2019年5月19日 2時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 好きです。(唐突) (2019年5月19日 1時) (レス) id: 9f5b306141 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - trapさん» また暫くしたら初めから読みたいと思います！まだまだ読みたいなと思い続と書かれているのを見る度ガッツポーズでした！ (2019年5月14日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - すみれいんさん» こんなくそ長い小説をここまで読んで頂きありがとうございました！お仕事中も脳内を支配できたならこちらとしても嬉しい限りです( ＾∀＾) (2019年5月12日 13時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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