天使の時計 ページ29
ちょっとずつ続き
メンバーが居ません多分
＊＊
＿＿飲み干した珈琲と、同価値の人間だった。
知っていた。
だのに、君達の傍で、君達の役に立てれば、って、思ってしまった。
……願ってしまったんだ。
柄にもない自分は莫迦らしい。そんな事は自分で解って居る。
自分を見下し一生分嘲笑っても足りないくらいに。
……こんな結末と知って居たら、私は、君の手を取らなかったのだろうか。
……否、それは無いな。
少なからず私は君の事を確かに慕って居て、その手を取る事に後悔なんて絶対にない、そう本気で思って居た。
君達に、酔っていた。
そんな自分に、酔っていた。
……解らない。
何を思ったのか。
ずっと何を、思って居たのか。
……そんな事はもう、今となっては、至極如何でも良い話なのだけれど。
＊＊
寝起きの気怠くない人は、珍しいのではないか、と、個人的には思う。
何回目かのアラームで漸く起き上がる事の出来た私は、ぼんやりとした寝起き特有の頭痛と指先の痺れを感じながら、眠い目を雑に擦っていた。
カーテンの向こうは、何とない薄日。
薄曇りだ。丁度良い位の、天気。
ベッドから下り、身支度を簡単に済ませてから、珈琲を一杯。
すっかりこれが私の朝の習慣になってしまって久しい。
朝食べずに居る事は一日の活動と言う観点から見た時、非常に大きな損失なのだと言う。
そんな事は解ってはいたが、御腹も空かない中にモノを入れるのは得意じゃないし、それで胸焼けがする位なら、食材も美味しく食べられる時に食べて欲しいと思う。
食材が如何考えて居るか、何て、知った事では無いのだが。
淹れたての珈琲の注がれたマグカップで掌を温めながら、先程の夢の事を考えて居た。
嗚呼云う夢を、よく見る。
いつからかは解らない、いつの間にか見る様になっていた。
でも、夢の内容は、起きてしまえば、吃驚する程靄がかかって霞んで、夢を見たと言う記憶さえも消えて行く。
……私の脳は、いつの間にか昔の偶像の影でも追う様になったのかも知れない。
と、私は一人自嘲する。
そんなロマンチストになった覚えはない。
浪漫が何たるかも理解していない私が、ロマンチストなどとは甚だしい。それに、今後なる予定もない。
だとしても、私は脳の何処かで、何かをずっと求めて居るのかも知れない、と思う。
『夢』とは結局はそう言う事だ。
脳の魅せる虚像。
その意味が理解できる日が来るとは、そう思えないが。
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遥彼方 - 杏月さん» コメント有難うございます。赤の件、伏してお詫び申し上げます。私としてもあの作品を仕上げられないことはとても残念です。天使の方はきっと最後まで持っていこうと思いますので、これからもお付き合いの程宜しくお願い致します。 (2022年3月18日 20時) (
レス) id: db6f42df22 (このIDを非表示/違反報告)
杏月 - 青の頃から白、赤と続けて拝読させて頂いてます。赤の件悲しすぎてコメント(気恥しいので非ログですが)してしまいました。天使の連載楽しみに待っていますので今後もご自身のご都合を優先しながらゆるゆると書いて頂ければなと思います。陰ながら応援し続けております。 (2022年3月17日 18時) (レス) id: 2c2cf1c18b (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 零空さん» いえいえ、此方こそリクエスト有難う御座いました。満足頂けたようで、本当に何よりでございます。そう仰って頂ければ私の中では成功です、お褒めの言葉有難うございます！応援の言葉、確かに胸に刻ませて頂きました。之からもお付き合いの程宜しくお願い致します！ (2020年4月5日 0時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
零空 - リクエストに応えて下さり有難う御座いました。私はとても満足しました！厄介なお願いだったにもかかわらず短期間で、然も私の想像をはるかに超えた内容で吃驚です。上から目線になってしまいますが、次回作楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2020年4月4日 21時) (レス) id: 504800a470 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» お久しぶりです、コメント有難うございます。否ぁ、天使の時計人気ですね、吃驚しました。予想以上の反響で嬉しいです。有難いお言葉を有難うございます！プロット練ってみようかなと考え中です……（単純） (2020年3月26日 2時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2020年3月6日 10時
